PCでゲームをプレイする場合、CPUやGPUの性能がゲームの描画品質やフレームレートを大きく左右しますが、最終的にそれを表示するのはPC本体ではなくディスプレイです。このため、ゲームの表示に適したディスプレイを選択することは、快適なPCゲーミング環境を構築する上で、とても重要なことであると言えます。
今回は、最近のゲームに適したディスプレイ選びのポイントを紹介いたします。
144Hzや240Hzのハイリフレッシュレートディスプレイ
ゲーム向けを謳って販売されている「ゲーミングモニター」の多くは、一般的なディスプレイの60Hzより高速な144Hzや240Hzといったリフレッシュレートを売りにしているものがあります。
リフレッシュレートとは、ディスプレイが1秒間に表示している画像を書き換える回数のことで、この数値が大きくなるほど、高速に画面の書き換えが行われることになります。
結果として、ユーザーの操作などによるゲーム上での変化が画面に反映されるまでの時間はより短くなりますし、ゲーム側が相応のフレームレートで動作していれば、より滑らかな映像でゲームを楽しむことができます。
特に、素早い反応が必要とされるFPSやバトルロイヤルゲームなどで重要になるスペックですが、その表示能力をゲームで活かすには、リフレッシュレート相応のフレームレートを出す必要があります。ハイリフレッシュレートなゲーミングモニターの表示能力をフル活用してゲームを遊ぶためには、高性能なPCが不可欠です。
▲ASUSのGamingモニターのスペックより一部抜粋
「1ms」や「4ms」と表記される応答速度
応答速度は、液晶ディスプレイで古くから注目されているスペックのひとつで、「1ms」のようにミリ秒単位で表記されています。
これは、ディスプレイが画面の書き換えを実行してから、実際に画面の表示が変化するまでの時間で、応答速度が早いほど、変化中の中途半端な表示の時間が減るので、結果として残像感の少ない映像が得られます。
現代のゲーミングモニターでは、中間色から他の中間色への切り替え時間を示す「GTG(Gray To Gray)」が1ms以下の製品が多く登場しています。FPSやバトルロイヤルゲームなど、表示への反応速度が求められるタイプのゲームをプレイされるのであれば、1msを応答速度の基準にするとよいでしょう。
ぜひとも選びたい動的同期技術「FreeSync」「G-SYNC」対応モニター
ディスプレイ動的同期技術の「FreeSync」や「G-SYNC」は、近年普及してきたフレームレートとリフレッシュレートを同期させる技術です。
従来のディスプレイは、リフレッシュレートに基づいて一定の間隔で画面の表示を描き変えており、従来の同期技術である「垂直同期(Vsync)」では、リフレッシュレートに合わせてPCが描画した画像を転送することで同期していましたが、FreeSyncやG-SYNCではPC側が画像を送ってきたタイミングでディスプレイ側が画面を描き変えて同期するという手法をとっています。
これにより、垂直同期ではリフレッシュレートをフレームレートが下回った際に発生していたカクツキ(スタッタリング)や、タイミングの不一致による画像の破綻(ティアリング)を防ぎ、破綻のない滑らかな映像を得ることができます。
また、PC側で描画した画像をすぐに表示に反映するため、操作に対する画面表示へのレスポンスも改善し、いち早くゲーム内の状況を視認することが可能となります。
利用にはディスプレイ側とグラフィックカード側の対応が必要となりますが、最近のGPUを搭載したゲーマー向けビデオカードのほとんどはFreeSyncかG-SYNCに対応しておりますので、ゲーミング環境の更新をお考えの方には、動的ディスプレイ同技術に対応したゲーミングモニターの導入をおすすめします。