パーツの選び方 メモリの知識

Alder LakeでDDR4-4000をGear1で起動する方法

今回はAlder Lakeでのメモリ設定方法におけるGearモードについて紹介します。

Z690/B660/H670マザーのDDR4用マザーのメモリは、クロックに応じてGear1、Gear2と呼ばれる対比設定の切り替えがあります。

これは「メモリコントローラークロック:メモリクロック」の対比のことで

Gear1=「1:1」の対比
Gear2=「1:2」の対比

となっています。
BIOSを特にいじらなければ、このGearモードの切り替えは、自動で行われます。通常はDDR4-3600までがGear1動作、それを超えるとGear2動作になるようです。
Gear2になると、メモリクロックに対してメモリコントローラーのクロックが半分になるので、パフォーマンスに影響が出てきます。つまり、できるだけGear1で動作させたほうがいいということになります。

DDR4-3600はAutoでGear1起動

では実際にDDR4-3600とDDR4-4000のメモリを使って、実例をみてみましょう。

【テスト環境】
マザーボード:ASUS B660M-A D4(BIOS:1203)

CPU:Intel Core i5-12600K

メモリ:

OCMEMORY OCM4000CL19D-16GBNM (DDR4-4000 CL19 8GB×2)

●DDR4-3600スペックのメモリ(OCMEMORY OCM3600CL18D-16GBN)をXMP設定で起動
CPU-Z DDR4-3600_02
 ※このマザーボードはFSBが100MHzより若干低めで起動するため、すべてのクロックが低めに表示されます

「Memory」タブで「Mem Controller Freq.」と「DRAM Frequency」を確認すると、同じクロックで動作しています。これがGear1の1:1対比の動作となります。DDR4-3600は特に意識せずにGear1となっています。

DDR4-4000はAutoでGear2起動

次にDDR4-4000のメモリを使ってみましょう。

●DDR4-4000スペックのメモリ(OCMEMORY OCM4000CL19D-16GBN)をXMP設定で起動
CPU-Z DDR4-4000 Gear2_02
「Memory」タブで「Mem Controller Freq.」を確認すると、「DRAM Frequency」の半分になっていることがわかります。つまりDDR4-4000でそのまま起動するとGear2になります。

冒頭でGear1は通常DDR4-3600までと紹介しましたが、これには多少マージンがあり、チューニング設定によりDDR4-4000くらいまでGear1で動作させることができます。

DDR4-4000を設定してGear1起動させる

それではGear1で起動する方法です。

ASUS B660M-A D4の場合の設定となりますが、他のマザーボードでも同様の設定は可能です。

(1)BIOSの「Ai Tweaker」タブで「Ai Overclock Tuner」で「XMP」設定を行った後、「Memory Controller:DRAM Frequency Ratio」を「1:1」に変更します。
BIOS_Memcon_02
「Memory Controller:DRAM Frequency Ratio」を変更すると、一度「DRAM Frequency」の設定が「Auto」にリセットされるので注意が必要です。

(2)「DRAM Frequency」を「DDR4-4000MHz」に設定します。

BIOS_4000_setting
「DRAM Frequency」を先に設定してしまうと、再設定が必要ですので、設定後は確認してください。

この設定で起動します。

CPU-Z DDR4-4000 Gear1_02
「Mem Controller Freq.」と「DRAM Frequency」が同じとなり、Gear1で起動していることがわかります。

現状、DDR4マザーを使う場合はDDR4-4000のGear1設定がパフォーマンスが出しやすい設定になります。

ただし、マザーボードやメモリによってはGear1設定で安定動作しないことも考えられますので、その場合はクロックを下げるなどの対応が必要となります。Gearモードを手動で設定した場合はPCに負荷をかけるベンチマークなどで必ず安定動作を確認してからの使用をおすすめします。

今回の設定例はパフォーマンスアップのチューニングになりますので、状況に応じて変更してください。

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Gear1とGear2の性能差については近日中に公開します。

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