国内での発売も間近と噂されているIntelのデスクトップ向けGPU「Arc A380」について紹介いたします。
レイトレーシングに対応する新世代GPU「Arc A380」
IntelのArc A380は、「Alchemist」というコードネームで開発されてきたIntel最新GPUのひとつで、デスクトップ向けのエントリークラスGPUとして、中国で先行発売されています。
Xe-HPGアーキテクチャとTSMC N6プロセスで製造されたArc A380は、DirectX 12 Ultimateに対応したGPUで、128基のXeベクトルエンジンのほかに、8基のレイトレーシングユニットや、AI演算用のXMXエンジンを128基備えています。
エントリークラスのGPUながら、6GBと比較的容量の大きなVRAMを備えているのも特徴で、メモリバスは96bitと狭いものの、15.5Gbpsという高速駆動のGDDR6メモリを採用することで186GB/sのメモリ帯域幅を実現しています。
「AV1」のハードウェアエンコード/デコードに対応
Arc A380では、従来のIntel GPUからメディアエンジンが強化されており、最新の動画コーデックである「AV1」のハードウェアエンコーダーとハードウェアデコーダーを搭載しています。
CPUで処理するソフトウェアエンコードでは膨大な時間が必要になるため実用性に難があるAV1ですが、Arc A380のハードウェアエンコーダーによってその優れた圧縮率を一般ユーザーでも利用できるようになることが期待されます。
Intel Arc向けのドライバは最適化が不十分?
Arc A380のスペックや機能的については、エントリークラスのデスクトップ向けGPUとして魅力的なものを備えていますが、現時点ではDirectX11以前のゲームに対する最適化が不十分なことをIntel自身が認めるなど、ドライバの最適化や完成度に難があるのが現状のようです。
国内外でのレビューにおいても、実際のゲームではAMDやNVIDIAの競合製品に対して不利な結果になる場合も多いようです。ゲームでのパフォーマンスを期待して購入を検討されるのであれば、国内で発売されるまでにドライバがどこまで成熟するのかに注目しましょう。