今回は、AMDのSocket AM5向けチップセット「AMD 600シリーズチップセット」について紹介します。
正式に公開されたAMD 600シリーズチップセットの機能
AMDの新CPUであるRyzen 7000シリーズと共にリリースされたのが、新CPUソケットの「Socket AM5」に対応するチップセット「AMD 600シリーズチップセット」です。
利用できるCPU内蔵PCIeの違いがポイント
各チップセットの機能を確認してみると、チップセットが提供する6Gbps SATAやUSBポートの数に違いがあることに加え、利用可能なCPU内蔵PCIeの世代やレーン数に違いがあることが分かります。
Ryzen 7000シリーズCPUは28レーンのPCIe 5.0を内蔵しており、そのうち16レーンをGPU用に割り当てているほか、チップセット接続用、NVMe SSD用、汎用ポート(PCIe GPP)として、それぞれに4レーンずつ割り当てられています。
ただし、これらのCPU内蔵PCIe 5.0は、全てのチップセットで最大の速度が発揮できるわけではありません。
チップセットの末尾に「E」が付与されているX670EとB650Eでは、GPU用とNVMe SSD用のPCIeを5.0で利用できますが、X670はGPU用がPCIe 4.0まで、B650ではGPU用とNVMe用がPCIe 4.0までの対応となっています。
また、汎用ポートとして利用できるPCIe GPP(General Purpose Port)については、各チップセットで最大速度が定められておらず、PCIe 5.0またはPCIe 4.0をマザーボードメーカーが選択して実装しています。なお、もっとも下位のチップセットであるB650では、PCIe GPPの4レーンは利用できません。
実際に利用できる機能はマザーボードの仕様次第
各チップセットがサポートする機能をどこまでマザーボード上に実装するのかは、マザーボードメーカーの設計次第ではありますが、新世代規格である「PCIe 5.0」をより多く利用したいのであれば、末尾に「E」が付与されたX670EまたはB650Eのいずれかを搭載したマザーボードを選ぶことになります。
逆にPCIe 5.0の利用にこだわらないのであれば、基本的な機能はE付きのチップセットと変わりませんし、CPUやメモリのオーバークロックも可能ですので、より安価なX670やB650を搭載したマザーボードを選んでみるのも良いでしょう。