今回は、Ryzen 7000シリーズ向けに電源ユニットを選ぶさいのポイントを紹介します。
PPTからRyzen 7000 シリーズの最大消費電力を推測
電源ユニットを選ぶうえでもっとも重要なのが、パーツが消費する電力を十分に供給できるだけの容量を備えていることです。これを知るためには、パーツが消費する電力をおおまかに把握する必要があります。
Ryzen 7000シリーズにおける実質的な電力指標であるTDPは、上位のRyzen 9が170W、Ryzen 7とRyzen 5が105Wに設定されているのですが、これらの数値はベースクロックで動作しているさいの最大消費電力を示すもので、ブースト動作中の最大消費電力はこれ以上になります。
ブースト動作中の最大消費電力については、PPT(Package Power Tracking)という電力リミット値によって設定されており、この数値はTDP 170WのRyzen 9で230W、TDP 105WのRyzen 7とRyzen 5では142Wとなっています。
このPPTリミットの値を基準として、マザーボード上の電源回路(VRM)の電力効率を考慮して1~2割増しにした数値をCPUの最大消費電力と考えるのが妥当なところでしょう。
2系統のCPU電源コネクタを備えた電源ユニットを推奨
上位のRyzen 9が特に大電力を消費することもあって、Ryzen 7000シリーズに対応するマザーボードは、CPUに電力を供給するためのCPU電源コネクタであるEPS12V(8ピン)やATX12V(4ピン)を2系統備えているものが多くなっています。
これは、マザーボードと電源ユニット間を繋ぐケーブルを多重化することで電気抵抗値を引き下げ、安定した電圧をマザーボードに供給するための設計であり、全てのコネクタを使用することが推奨されます。