パーツの選び方

大容量SSD vs HDD、どう使い分けるべき?

2023年はSSDの価格が大幅に下落した年であり、以前は高価だった2TB以上の大容量SSDが購入しやすい価格になりました。そこで今回は、大容量SSDとHDDの使い分けについて考えてみたいと思います。

多くの人はSSDだけで事足りる時代に

 PCパーツのストレージデバイスとして市場を二分しているSSDとHDDですが、従来は「高速だが容量単価の高いSSD」と「速度で劣るが容量単価の安いHDD」という特性ゆえ、速度の求められるシステム用などはSSD、写真や動画などのデータ保存はHDDという住み分けがされてきました。

 しかし、2023年は高速なNVMe SSDの2TBモデルが1~2万円程度で入手可能となったことで、多くの人にとって必要十分な記憶容量をSSDで実現できるようになってきました。
sk_hynix_ssd

 ▲SK hynixの2TB SSD Platinum P41 SHPP41-2000GM-2

 加えて、以前はSSDの短所として語られることの多かったNANDフラッシュメモリの書き換え寿命(TBW)についても、現代のSSDは膨大なTBWを実現しているものが多く、機械部品を有するHDDの摩耗寿命に比べてデメリットと言えるほどのものではなくなったことで、多くの人にとってはPC向けのストレージはSSDだけでも十分な時代になったと言えます。

HDDの使いどころは?

 速度と容量、そしてコスト面でもPCユーザーの需要を満たせるまでにSSDが進化したことで、HDDの必要性は大きく薄れたようにも思えますが、依然として容量単価がSSDより安く、8TBを超える大容量も容易に入手できるHDDは、膨大なデータを保存しておく必要のあるユーザーにとって重要です。監視システムやNASなどの固有のニーズで使用されるほか、一般ユーザーにとってHDDの使いどころとなり得るのがバックアップ用途です。

 SSDにせよ、HDDにせよ、予期しない突発的な故障は発生し得るものであり、ひとたび起これば記憶していたデータがアクセス不能となって失われるリスクがあります。

 このため、重要なデータはバックアップをとっておくことが望ましいのですが、バックアップ用のストレージは常時アクセスするものでないので速度がそこまで重要では無い一方、完全なバックアップを取り続けるにはそれなりの記憶容量が必要ですので、容量単価の安いHDDが好適なのです。

 SSDの進化によって内蔵ストレージは全てSSDでも十分賄える時代になりましたが、失われて困るデータをお持ちの方であれば、バックアップ用としてHDDを活用されると良いでしょう。

-パーツの選び方