6月上旬に行われたComputex 2024では、自作PCで一般的なメモリモジュールである「DIMM」とは異なる「CAMM2」を各社が展示、デモを行っていました。
今回は、自作PCユーザーにはまだ馴染みのないメモリモジュール規格「CAMM2」について紹介します。
メモリモジュールの新規格「CAMM2」
CAMM2とは、ノートPC向けに活用されてきたSODIMMの後継にあたるメモリモジュール規格で、2023年末にJEDECで正式に規格化されたばかりの最新規格です。もともとDellが独自開発していたメモリモジュールからJEDECの標準規格となったCAMM2は、Compression Attached Memory Moduleの略称です。
CAMM2は、SODIMMとオンボード実装の良いとこどりを狙って開発されたメモリモジュールです。
従来のSODIMMはメモリの交換や増設が容易であるものの、スロットの実装面積や厚みがノートPCの薄型軽量化を妨げる要因になっていました。一方、メモリチップのオンボード実装は実装面積や厚みを削減できるものの、増設や交換が原則不可という欠点がありました。
CAMM2は交換可能なメモリモジュールでありながら、SODIMMより少ない面積と半分程度の厚みでの実装が可能です。また、高速なLPDDR5Xメモリにも対応可能であり、従来はオンボード実装でのみ利用できた高速なメモリのモジュラー化が可能となります。CAMM2はノートPCのメモリ増設や交換を従来のSODIMMより簡単に行えるようになる可能性を秘めたメモリモジュール規格なのです。
このCAMM2をデスクトップ向けにも採用する動きが出てきています。上記のとおり、元々ノートPC向けに開発されたCAMM2ですが、メモリ部のスペース面、ハイクロック、冷却性、エアフローなどの点からデスクトップPCにおいてもメリットがあります。
デスクトップのマザーボードがすべてCAMM2に置き換わるということではありませんが、今後CAMM2を採用したマザーボードが発売されれば、自作PCを構築する上で選択肢の一つとなってくるでしょう。
余談ですが、CAMM2は日本ではどう読むべきでしょうか? 現状、ネットを探す限り読み方については言及されていません。ちなみに「DIMM」「ディム」なので、「CAMM」は「キャム」でしょうね。「2」を「ツー(トゥ)」と読むか「に」と読むかですが、「DDR5」(ディーディーアール・ファイブ)のように「DDR」の後に付く数字は英語読みが基本です。ということは日本読みは「キャムツー」ですね。ちなみにComputexでは「キャムツー(トゥ)」と呼ばれていたので、そのまま日本でも「キャムツー」でいいかと思います。
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