2024年5月、マイクロソフトはAI向けに設計した新たなWindows PC「Copilot+ PC」を発表しました。今回は、このCopilot+ PCについて紹介します。
WindowsのAI PC「Copilot+ PC」
マイクロソフトのCopilot+ PCは、同社のAIアシスタント「Copilot」をはじめとするAIアプリを実行可能なWindows PCの新カテゴリーです。
Copilot+ PCのハードウェア要件では、40TOPS以上のAI処理性能を有するNPU(Neural Processing Unit)の搭載が必須とされており、NPUを用いてAIアプリを実行できるPCであることが求められています。
現状では、「40TOPS以上の処理性能を備えたNPU」という要件を満たす唯一のSoC「Snapdragon X」を搭載したPCのみがCopilot+ PCを名乗ることを許されており、マイクロソフトのSurfaceのほか、Acer、ASUS、Dell、HP、Lenovo、Samsungなどのメーカーから、Snapdragon Xを搭載するCopilot+ PCが2024年6月18日以降に発売予定です。
Snapdragon Xについてはこちらの記事をご覧ください。
→Copilot+ PCに採用された「Snapdragon X Elite/Plus」とは?
なお、Snapdragon Xを搭載するCopilot+ PCのOSは「Arm版Windows 11」であり、Intel/AMDのCPUに対応するx86版Windows 11とは別物です。Arm向けネイティブアプリや、x86アプリ用のエミュレーターも用意されてはいますが、Arm版Windowsではアプリケーションの互換性に注意が必要です。
今後、IntelとAMDもCopilot+ PCの要件を満たせるNPUを統合したCPU/SoCの投入を予定しており、x86版Windowsを採用するCopilot+ PCの登場は時間の問題です。Arm版Windowsの互換性が気になる場合は、x86版Copilot+ PCの発売を待ってみるのも良いでしょう。
Copilot+ PCの機能
主な機能として以下が挙げられます。
- リコール
- デバイスで以前見たコンテンツを検索
- コクリエーター
- テキストやイメージのプロンプトによりAIがビジョンを解釈して、それに応じた画像を生成
- ライブキャプション
- オーディオとビデオのコンテンツをリアルタイムで英語字幕に翻訳
- Windows スタジオ エフェクト
- AI を活用したビデオ通話と音声の様々なエフェクト
革新的な新しい機能というよりは、AIをベースとした便利な機能がノートPCでも標準で気軽に使えるというところがポイントです。
AI活用に舵を切ったWindowsの転換点
Copilot+ PCは、AIを積極的に活用する方向へ舵を切ったWindowsの転換点を象徴するPCであり、Windowsが標準で備えるAIベースのアプリや機能を利用できます。一方、従来のGPUで実行していたAI処理はCopilot+ PCであるか否かに関わらず利用できますし、NPUよりGeForce RTX 40シリーズのようなGPUの方が高いAI処理性能を発揮する場合が多いのが現状です。
マイクロソフトがWindowsで提供する新たなAI体験を楽しめることがCopilot+ PCの魅力ですが、必ずしもAI性能に優れたPCであることを意味しない点に注意しつつ、ご利用予定のAIアプリの要求スペックやPCのハードウェア構成をチェックされることをおすすめします。
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