今回は、「2024年5月版CPUの選び方」のローエンド編として、IntelとAMDのローエンドCPUを確認してみましょう。
Zen 3とSocket AM4でローエンド帯をカバーするAMD
AMDは、最新のZen 4アーキテクチャを採用するCPUをローエンド・デスクトップ向けには展開しておらず、旧世代であるZen 3アーキテクチャ採用CPUとSocket AM4プラットフォームでローエンド帯をカバーしています。
今回は多数の製品がラインナップされているSocket AM4向けCPUから、特に注目の製品をピックアップしてみました。
特に人気が高いのは2万円台前半で購入できる8コア16スレッドCPUの「Ryzen 7 5700X」で、価格的にローエンドとは言い難いながらもゲーム性能に優れる「Ryzen 7 5700X3D」や、2万円台中盤で8コア16スレッドCPUと8コアGPUを備えるAPU「Ryzen 7 5700G」も人気を博しています。
Core i3とIntelプロセッサを展開するIntel
Intelのローエンド帯には、「Core i3」と「Intelプロセッサ」がラインナップされています。実際には、第13世代Core以前の製品も販売されていますが、今回は14世代のCoreプロセッサとして登場したCPUをピックアップしました。
いずれもLGA1700対応のCPUで、Intel 7プロセスで製造されたRaptor Lake-S Refresh世代に属する製品ですが、L2キャッシュの容量的には第12世代のAlder Lake-Sと同様の構造となっています。
新ブランドが採用されたIntel プロセッサー300は、実質的には従来のPentiumに相当する2コア4スレッドCPUとなっており、Core i3ブランドの2モデルは4コア8スレッドCPUです。いずれもPコアのみで構成されている点や、電力指標が比較的低く設定されていることが特徴です。
ローエンドCPU自体のスペックはAMDが有利
おおよそ3万円以下の価格帯で展開されているAMDとIntelのローエンドCPUですが、同価格帯製品のCPUコア数などをみると、旧世代製品とはいえAMDのSocket AM5対応CPUの方が魅力的に感じられるでしょう。
特に強力なのが2万円台前半で買える8コア16スレッドCPUのRyzen 7 5700Xで、価格的には同程度のCore i3-14100の2倍のコア数を実現している点は魅力的です。Intel プロセッサー300に近い価格で6コア12スレッドCPUのRyzen 5 5500GTも用意されており、コストあたりのコア数ではAMDがかなり優位なようです。
一方、IntelのローエンドCPUはシングルコア性能でZen 3世代のCPUより優位な場合も多いのですが、コア数の不利は否めません。ただし、IntelのLGA1700プラットフォームであれば、Raptor Lake-S Refresh世代の上位CPUにアップグレードするという手段が残されており、アップグレードパスという点では検討の余地はあるでしょう。
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