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Intel Default SettingsとIntel Baseline Profileについて

 2024年6月現在、Intelの13世代Coreおよび14世代CoreのハイエンドCPUを搭載したPCにて、一部のゲームでシェーダーコンパイル等の処理を実行したさいにエラーが発生するという不具合が報告されています。

 現時点で問題の原因は特定されていないようですが、暫定的にIntelはマザーボードメーカーに対して「Intel Default Settings」について情報共有を行い、マザーボードメーカーは「Intel Baseline Profile」を導入したBIOSをリリースしています。今回は、これら「Intel Default Settings」と「Intel Baseline Profile」について確認してみましょう。

Intel Default Settingsとは

 ドイツメディアのHardwareluxxで公開されたIntelの声明によれば、Intelが今回の問題にさいしてマザーボードメーカーと共有した「Intel Default Settings」とは以下の要件とのことです。

 これらの項目と設定内容は、各種リミットやブースト機能を有効にすることを目的としたものとなっています。

 全てのマザーボードがこの設定に反する標準設定となっていたわけではありませんが、電流リミットを無効化する「ICCMAX Unlimited Bit」はミドルレンジ以上のマザーボードの多くで有効化されていたほか、最近もCEPを無効化したことをアピールするBIOSがリリースされたことがありました。

 実際にIntelとマザーボードメーカーの間で交わされている情報はこれだけでは無いと考えられますが、明らかにされている情報によればIntelがこれらの「Intel Default Settings」を推奨事項としてマザーボードメーカーに伝えたとされています。

Intel Baseline Profileとは

 一部のマザーボードメーカーが、不具合対策の一環としてリリースしたBIOSに導入したのが「Intel Baseline Profile」です。

 このIntel Baseline Profileとされるものでは、主に電力リミットに関連する設定変更が行われているようなのですが、先に紹介したHardwareluxxに掲載されたIntelの声明によれば、マザーボードメーカー各社がリリースしているIntel Baseline Profileは「Intel Default Settings」と同一のものでは無いとしており、過去に共有した電力設定ガイダンスを元にマザーボードメーカーが設定したものと推察しています。

 Intelでは、第13世代や第14世代プロセッサ向けに複数の電力プロファイル(Power Delivery Profile)を設定しており、マザーボードの設計に応じてもっとも高い電力プロファイルを選択することを推奨しています。その一例として公開されたのが、第13/14世代Core i9のK/KFモデルとKSモデルのプロファイルです。

 これらのCPUにはBaseline Profileがそもそも設定されておらず、Performance ProfileやExtreme Profileが設定されています。

 マザーボードメーカーは、マザーボードが備えるVRMの供給能力に応じて電力リミットなどを設定していくことになる訳ですが、この表の中で特に強調されていたのは電流リミットの「ICCMAX」が400Aを絶対に超えないことを求められている点です。これまで、多くのマザーボードで無制限に設定されることの多かったICCMAXですが、今回の不具合対策において特に重要であるとIntelが考えているのかもしれません。

 本記事の作成時点で原因は特定されていないため、Intel Default SettingsとIntel Baseline Profileを適用すれば不具合が生じなくなると確認されているわけではありません。

 最終的な対策は原因究明後になると思われますし、全てのCPUで不具合が発生している訳でもありません。特に異常が無いのであればそのまま様子見するのも手ですが、気になるようであればIntel Baseline Profile対応版BIOSにアップデートしてみるのもよいでしょう。

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