AMDのX870系チップセットでUSB4の実装が必須化され、IntelのCore Ultra 200SシリーズでもCPUにThunderbolt 4コントローラが統合されました。
今回は、自作PCでも利用可能な環境が増えてきたUSB4/Thunderbolt 4と、その使い道について考えてみます。
40Gbpsを実現するUSB4と、その上位互換規格のThunderbolt 4
USB4 (Version 1.0)とThunderbolt 4は、どちらもUSB Type-C端子を用いて最大40Gbpsの転送速度を実現する規格です。Intelが独自に策定したThunderbolt 4は、USB4規格の機能をすべて備える上位互換規格であるため、両規格の間には互換性があります。
USB4とThunderbolt 4は40Gbpsの転送速度を実現しているほか、DP Altモード(DisplayPort規格)による映像出力機能やPCIeトンネリング機能などの機能が規格として盛り込まれており、AMDのX870系マザーボードに搭載されるUSB4コントローラ「ASMedia ASM4242」や、Intel Core Ultra 200SのThunderbolt 4コントローラはこれらの機能に対応しています。
外付けSSDとSSDケースの普及が始まったUSB4
USB4とThunderbolt 4は、ノートPCを中心に数年前から普及が始まっていた規格ではありますが、対応機器側の普及がなかなか進んでこなかったのが現状です。
しかし、ASMediaがUSBデバイス用のUSB4コントローラをリリースしたことをきっかけとして、2024年はUSB4規格に対応する外付けSSDや、M.2型SSDに対応する外付けSSDケースが多数発売されました。これらは比較的入手しやすい価格の製品が多く、特にSSDケースは1万円程度から購入できるようになったこともあり、USB4とThunderbolt 4を用いて高速な外付けSSDを利用するという用途が注目を集めはじめています。
現状、最速級のUSB4外付けSSDは、AMDのX870系マザーであればリード/ライトともに3.7GB/s前後、Intel Core Ultra 200Sではリード3.8GB/s前後、ライト3.0GB/s前後という速度が実現可能です。動画ファイルなど大容量ファイルを扱う機会の多いユーザーにとって、この転送速度はかなり魅力的なものでしょう。
今後、USB4/Thunderbolt 4は対応機器が増えていくことが期待されますし、X870系マザーボードやCore Ultra 200SのUSB4/Thunderbolt 4ポートは従来のUSB規格に対する下位互換を実現しているので、USB 3.2規のデバイスを接続して利用することもできます。
現時点でUSB4機器を所有していなくても、将来的にUSB4機器の導入を検討している場合や長く運用するつもりでPCを自作する場合は、USB4/Thunderbolt 4ポートを実装しているマザーボードを選んでおく価値はあるでしょう。
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