インターフェイスにPCIe 5.0を採用するNVMe SSDの普及が本格化し、一台のSSDで10GB/sを超える転送速度を実現可能となりつつあります。 今回は、PCIe 5.0 SSDが利用できるデスクトップ向け環境について紹介します。
CPUとマザーボード両方のPCIe 5.0対応が必須
現在ディスクトップPCで普及しているPCIe 5.0 SSDはM.2型のNVMe SSDで、10GB/sを超える速度を実現するものはPCIe 5.0 x4をインターフェイスに採用しています。
これらのSSDを本来の性能で動作させるためには、当然ながらPCIe 5.0 x4対応M.2スロットを備えたマザーボードが必要となのですが、PCIe 5.0 x4対応のM.2スロットを最大限の速度で利用するためにはPCIe 5.0に対応したCPUが必要です。
2025年6月の時点で、デスクトップ向けCPUでPCIe 5.0に対応しているのは以下のCPUはIntelのCore Ultra 200S (LGA 1851)および第12~14世代Core (LGA1700)と、AMDのRyzen 9000 シリーズとRyzen 7000 シリーズです。


いずれのCPUもGPU(ビデオカード)接続用として16レーンのPCIe 5.0を備えていますが、それとは別にNVMe SSD用のPCIe 5.0を備えているのはCore Ultra 200S(4レーン)とSocket AM5対応Ryzen(8レーン)で、LGA 1700対応の第12~14世代CoreはNVMe SSD接続用のレーンを備えていません。
このため、PCIe 5.0対応M.2スロットを備えるLGA 1700向けマザーボードでは、GPU接続用のPCIe 5.0 x16を分割してM.2スロットを実装しており、これらを利用するとGPU用のバスインターフェイスはPCIe 5.0 x8以下に制限されることになります。
また、CPUがNVMe SSD向けのPCIe 5.0レーンを備えるLGA 1851環境やSocket AM5環境においても、より多くのPCIe 5.0対応M.2スロットを実装するためにGPU接続用レーンを分割利用している場合があります。
ほとんどの場合、PCIe 8レーンで接続してもGPUの性能が大きく低下することはありませんが、GPUをフルスペックで利用したいのであれば、マザーボードがどのようにM.2スロットのPCIe 5.0レーンを確保しているのか仕様をよく確認することが重要です。
今後登場するCPUの仕様に要注意
先にご紹介したPCIe 5.0対応デスクトップ向けCPUの仕様は2025年6月時点のものであり、今後登場するCPUが異なる仕様のPCIeレーンを備えている可能性があります。
一例ではありますが、AMDのSocket AM5環境ではAPUコアをベースとした「Ryzen 8000 シリーズ」が展開されていますが、これらのプロセッサに統合されているのはPCIe 4.0であるため、マザーボードのM.2スロットがPCIe 5.0 x4に対応している場合でも、利用できるのはPCIe 4.0 x4までの接続となってしまいます。
今後、Ryzen 9000 シリーズやRyzen 7000 シリーズに内蔵PCIeの仕様が異なるCPUが追加される可能性もありますので、新発売のCPUについてはその製品仕様にご注意ください。
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