前回に引き続きG.SkillのDDR5-6000 64GBモジュール256GB(64GB×4)のテストを行いました。
低レイテンシーモデルF5-6000J3244G64GX4-FX5(CL32-44-44-96)のテストになります。このモデルは現時点でG.SkillのQVLにマザーボードの掲載がなく、導入に不安がある方もいらっしゃるかと思いますので、早速チェックしてみました。
前回テストしたCL36のモデル、F5-6000J3644D64GX4-FX5の検証は以下をご覧ください。
【速報】DDR5-6000で256GB(64GBx4)はちゃんと動作するのか? G.Skill F5-6000J3644D64GX4-FX5動作チェック

動作環境
マザーは当店の検証機MSI X870 TOMAHAWK WIFIにてテストをしました。こちらはCL36モデルでの検証にも使用したマザーボードになります。BIOSで行った設定はメモリプロファイルのEXPOのみです。BIOS→Windowsと問題なく起動しました。
テスト環境 | |
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CPU | AMD Ryzen 7 9700X |
マザーボード | MSI X870 TOMAHAWK WIFI (BIOS: 7E51v1A62) |
メモリ | G.Skill Flare X5 F5-6000J3244G64GX4-FX5 (DDR5-6000 CL32 64GB×4) |
テスト結果

まずPrime 95の負荷テストを行ってみました。
特に問題なく24時間以上の動作を確認しました。Prime 95はメモリに問題があれば、CPUのコアが落ちたり、プログラム自体が落ちたりします。24時間以上の100%負荷は結構ヘビーなテストなので、安定動作しているといっていいでしょう。

続いてMemtest86のテストを行ってみました。こちらも問題なく4PASSをクリアしました。Memtest86は4PASSクリアすると、上のように表示されてテストが終了します。エラーが発生するとエラーの数と発生個所が表示されます。今回のテストが完了するまで12時間以上かかりました。
考察
CL32のこちらもモデルもMSI X870 TOMAHAWK WIFIで問題なく動作しました。
CLが異なるものの、おおむねCL36 モデルのQVLと同じマザーで動作するのではないかと思います。G.SkillページにまだQVLが掲載されていないのは、おそらくテストが間に合っていないからでしょう。
ひとつ気になるのは、起動時に結構時間がかかる点です。DDR5メモリは、起動時にメモリトレーニングを行うため、起動に時間がかかることがあります。この時間を短縮する機能として「Memory Context Restore」があるのですが、今回BIOSでこの機能を有効にすると、起動に失敗して、CMOSクリアをしないと復帰しないことがありました。この問題はメーカーにフィードバックする予定です。「Memory Context Restore」を有効にしなければ時間はかかるものの起動に問題はありませんでした。
今回はベンチ台でむき出し状態のテストでしたが、4枚挿しはメモリ間が近くなり、またCL32モデルは電圧が高い(1.40V)ため、実際に運用する場合は、メモリの冷却も考慮したPC構築を行ってください。DDR5-6000のクロックでの大容量メモリは、特に業務や研究分野でPCを使われている方に有効なソリューションとなります。大容量メモリでBTO PCをご検討の方は当店フォームよりご相談ください。
このブログ記事はPCパーツショップOVERCLOCK WORKSが制作・配信しています
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