前回のレビュー
【レビュー】Thermalright MC-2 ARGBの効果を検証!DDR5が「最大-20℃」冷える高コスパ冷却
今回は、ヒートスプレッダー付きメモリでも、追加の送風でどれだけ温度が下がるのかをチェックします。
使用したメモリは、G.Skill「Trident Z5 Neo RGB F5-8000J4048G24GX2-TZ5NR」(24GB×2)です。
室温27℃、メモリ2枚挿しの環境で、ファンなし・ファンありの温度を比較したところ、最高温度が最大16.2℃低下しました。
ヒートスプレッダー付きメモリへの取り付け
今回の取り付け状態がこちらです。
側面と上面からの写真を並べて掲載しています。
写真と測定画面は、クリックすると拡大して確認できます。


テスト環境と測定方法
負荷テストは前回と同じPrime95 Large FFTs・30分です。
今回は、ファンなしとRPM50%固定の2条件のみで検証しました。
今回は2枚挿しのみを検証し、HWiNFOの「SPD Hub 温度」の「最大」欄をそろえて比較します。
| 項目 | スペック / 動作条件 |
|---|---|
| メモリクーラー | Thermalright MC-2 ARGB |
| ファン回転数 | 1625RPM(RPM50%固定) |
| CPU | AMD Ryzen 7 9700X(65Wモード) |
| CPUクーラー | Asetek 360mm ラジエーター 簡易水冷 |
| マザーボード | MAG X870 TOMAHAWK WIFI |
| GPU | Radeon RX 9060 XT 16GB(セミファンレス、テスト時0回転) |
| メモリ構成 | DDR5-8000 24GB×2(48GB) / 電圧:約1.40V (EXPO適用) |
| ヒートスプレッダー | あり |
| 検証環境 | ベンチマーク検証台(オープンフレーム) |
| 室内温度 | 27℃ |
| テスト | Prime95 Large FFTs(stresses memory controller and RAM)30分 |
| 比較する温度 | HWiNFOのSPD Hub温度(最大値) |
※SPD Hub温度はメモリ上のセンサーの読み取り値です。
メモリチップ自体の温度を直接測定したものではありません。
検証結果:最高温度が最大16.2℃低下
| 測定対象 | ファンなし | ファンあり(RPM50%固定) | 温度の低下幅 |
|---|---|---|---|
| スロットA2 | 60.5℃ | 44.8℃ | 15.7℃ |
| スロットB2 | 60.0℃ | 43.8℃ | 16.2℃ |
ファンなしでは2枚とも約60℃に達したのに対し、ファンありでは最高温度が44.8℃/43.8℃に収まりました。
最高温度同士の差は、スロットA2が15.7℃、スロットB2が16.2℃です。
ヒートスプレッダーを備えたメモリでも、送風による温度低下を確認できました。
ファンなしの測定画面

ファンありの測定画面

ファンありの画像では「現在」欄が44.0℃/43.2℃となっていますが、比較表には「最大」欄の44.8℃/43.8℃を使用しています。
ヒートスプレッダー付きでも、エアフローの確保が有効
ヒートスプレッダーは、メモリの熱を広い面積に分散し、周囲の空気へ逃がす役割を持ちます。
そのため、ヒートスプレッダー付きでも、メモリ周辺のエアフローを確保することが有効です。
今回も、メモリクーラーで送風することで最高温度の低下を確認できました。
電圧を上げて高速化を狙うと、メモリの消費電力と発熱も増えやすくなります。
DDR5メモリは、基板上に電源管理IC(PMIC)を搭載しています。PMICはメモリに必要な電圧へ変換・調整する役割を持ち、メモリチップだけでなく、PMIC自体も動作に伴って発熱します。高クロック・高電圧で運用する場合は、ヒートスプレッダーだけでなく、メモリ周辺に風を通して熱を逃がすこともポイントです。
参考:MicronのDDR5技術資料(PDF・英語/モジュール上のPMICについて)
4枚挿しでは、メモリ間の熱だまりにも注意
今回は、ヒートスプレッダー付きメモリの4枚挿しは検証していません。
ただし、4枚挿しではヒートスプレッダーの厚さや形状によってメモリ間の隙間がほとんどなくなる場合があり、空気が通りにくく、熱だまりが起きやすくなります。
こうした構成でも、メモリクーラーでメモリ周辺へ送風することで、熱だまりを減らし、放熱を助ける効果が期待できます。
※4枚挿しでの冷却効果は今回の実測結果ではなく、構造とエアフローを踏まえた考察です。
まとめ:ヒートスプレッダー付きDDR5の追加冷却にも
今回の条件では、Thermalright「MC-2 ARGB」の送風によって、電圧1.4Vで動作するヒートスプレッダー付きDDR5-8000メモリの最高温度が15.7〜16.2℃低下しました。
ヒートスプレッダー付きメモリの発熱が気になる場合にも、追加冷却の選択肢になりそうです。
※今回の結果は、室温27℃・メモリ2枚挿しでの測定です。
※前回とはメモリや室温が異なるため、温度の低下幅をそのまま比較することはできません。
前回の検証記事
Thermalright「MC-2 ARGB」の前回レビューはこちら(ヒートスプレッダーなし・2枚/4枚挿しの検証)
商品ページ
Thermalright「MC-2 ARGB WHITE」
Thermalright「MC-2 ARGB BLACK」
今回使用したG.Skill「F5-8000J4048G24GX2-TZ5NR」