ゲーム用として高リフレッシュレートのディスプレイが発売されています。今回は高リフレッシュレートディスプレイのメリットと、導入にあたっての注意すべきポイントをご紹介します。
●より滑らかな描画が得られる高リフレッシュレート
PC用のディスプレイのリフレッシュレートとは、1秒間に画面を書き換える回数のことで、スペック上では「Hz」の単位で表記されます。
もっとも一般的なPC用ディスプレイのリフレッシュレートは「60Hz」であり、これは1秒間に60回画面を書き換えていることを示しています。PCゲームで1秒間に60枚の画像を描画したこと示す60fpsというフレームレートが一つの基準となっているのは、最も普及しているディスプレイのリフレッシュレートと一致させるためです。
さて、最近登場しているゲーム用ディスプレイでは、120Hzや144Hzといった高いリフレッシュレートを実現したディスプレイが登場しています。このような高リフレッシュレートディスプレイでは画面の描画回数が増えるため、PC側が相応のフレームレートで描画した画面を用意できれば、動きのある映像をより滑らかに表示できます。120Hzと60Hzほどの差があれば、マウスカーソルを移動させるだけでもその違いがはっきりとわかる程度の効果があります。
※例) ASUS ROG Swift PG279Qのスペック表より
●高リフレッシュレートディスプレイ導入時に確認しておきたいポイント
描画がより滑らかになる高リフレッシュレートディスプレイですが、なんでも滑らかに描画されるという訳ではありません。
例えば、動画ファイルなどの場合、映像自体のフレームレートが60fps以下であることが多いため再生しても高リフレッシュレートディスプレイならではの滑らかな描画を得ることはできません。60fpsを超えるフレームレートで描画できるゲームをプレイすることによって、高リフレッシュレートディスプレイならでは滑らかな描画が得られます。
高リフレッシュレートディスプレイの効果を得るために注意しておきたいのは以下の3点です。
・PCの描画性能
・ディスプレイの入力端子とビデオカードの出力端子
・ゲームタイトルの最大フレームレート
リフレッシュレートが120Hzのディスプレイでパフォーマンスを最大限発揮するためには、ゲーム画面を120fps以上で描画する性能が必要となります。一般的な60fpsの2倍のフレームレートを達成するためには単純に2倍の描画能力が必要となるので、PCの描画性能は大変重要です。
高リフレッシュレートを売りにしているディスプレイであっても、入力端子ごとに最大リフレッシュレートが異なっている場合があります。複数の画面入力端子を備えているディスプレイを選ぶ場合、どの入力端子が何Hzまでのリフレッシュレートをサポートしているのかを確認し、PC側のビデオカードにそれに対応する出力端子が用意されているか確認しておくべきでしょう。
最後のゲームタイトルの最大フレームレートというのは案外見落としがちな項目です。多くのPCゲームは十分な性能のPCで実行することで数百fpsまでフレームレートを実現できますが、一部のゲームタイトルではフレームレートに上限が設定されており、60fpsや75fps以上のフレームレートでの描画ができないものがあります。高性能なPCとディスプレイがあっても、すべてのゲームタイトルで高リフレッシュレートの恩恵が得られるわけではないという点には注意が必要です。