最近、Full HDを超えて4K解像度の動画撮影機能を持ったビデオカメラやデジタルカメラが登場しています。高精細で高画質な動画コンテンツは必然的にファイルサイズが大きくなるため、これからの超Full HD時代を支えるべく、従来よりも高い圧縮率を実現する動画圧縮技術が求められています。
次世代を担う動画圧縮規格として有力なのが、現在主流のH.264/AVCの後継として策定された「H.265/HEVC」です。このH.265/HEVCはH.264/AVCに対して約2倍の圧縮率を実現しており、同程度の画質であればファイル容量を半分にまで圧縮することができます。
H.265/HEVCは2013年に策定されたばかりの規格で、まだ十分に普及しているとは言えないのが実情ですが、IntelのCore i7-6700KをはじめとするSkylakeが備えるQuick Sync Video(QSV)がH.265/HEVCのハードウェアエンコード/デコードに対応するなど、ハードウェア側への普及も進み始めています。
さて、このH.265/HEVCですが、優れた圧縮率の対価としてH.264/AVCよりもエンコードの完了に時間を必要とします。先述の通りSkylakeのQSVや、NVIDIAのNVENC(Maxwell以降で対応)といったハードウェアエンコーダを使った圧縮であればエンコード時間を短縮できますが、ハードウェアエンコーダの常として、同じ程度の圧縮率でエンコードを行った場合、CPUでエンコードを行うソフトウェアエンコードより低いの品質となってしまいます。
出来るだけ美しい画質を維持したまま圧縮を行いたいときは、x265などを使ってソフトウェアエンコードを実行することになります。x265はマルチスレッドへの対応はもちろん、新しい拡張命令セットである「AVX2」をサポートしており、特にこのAVX2が処理速度に大きな影響を与えます。同一のCPUであればAVX2無効時に比べ、約1.25倍程度の速度でエンコード処理が行えるほどです。
1.25倍という差は、マルチスレッドへの最適化が進んでいる動画のエンコード処理であっても、CPUコア数の差を逆転しうるほどのものです。比較的新しい拡張命令セットであるAVX2をサポートしたCPUは、AVX2非対応の旧世代CPUより基本性能も向上しているため、同じコア数のCPUへの乗り換えであっても、大きなパフォーマンスアップが期待できます。
以上の理由から、動画のエンコードにH.265/HEVC形式を扱うのであれば、AVX2に対応したCPUへの乗り換えがおすすめです。Intel製のCPUは、第4世代のHaswellアーキテクチャ以降の上位CPUでAVX2をサポートしています。
●AVX2対応CPU
Broadwell-E(LGA2011-v3)
Haswell-E(LGA2011-v3)
Skylake(LGA1151)
Broadwell(LGA1150)
Haswell(LGA1150)
●AVX2非対応CPU
Ivy Bridge-E(LGA2011)
Sandy bridge-E(LGA2011)
Ivy bridge(LGA1155)
Sandy bridge(LGA1155)
現在当店で販売しているBTOパソコンの搭載CPUは、Broadwell-EまたはSkylakeを搭載しているため、どの製品を選択してもAVX2対応CPUをご利用いただくことができます。とくにおすすめのCPUとしては、Broadwell-E(LGA2011-v3)のIntel Core i7-6800Kです。AVX2に対応した6コア12スレッドCPUとしては比較的安価である点が魅力です。
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