AMDは2017年初頭に、4世代続いたBulldozer系アーキテクチャを刷新する新たなCPUアーキテクチャである「Zen」を採用したCPU「RYZEN」の投入を予定しています。
RYZENは最大で8コア16スレッドCPUとして投入が予定されており、第4世代BulldozerであるExcavatorコアに比べ、動作クロックあたりの性能を1.4倍に向上させた製品とされています。これまで、Bulldozer系アーキテクチャの弱点であったクロックあたりの性能が大きく改善されることで、ゲームなどの用途でも高いパフォーマンスを発揮するCPUになることが期待されます。
●プラットフォームを刷新するSocket AM4
RYZENは、Socket AM4プラットフォーム向けのCPUとして登場を予定しています。まだ自作PC向けには製品が供給されていないSocket AM4製品ですが、先に紹介した通りExcavatorコアを採用したAPUとともに、組み込み向けには既に供給が開始されています。
これまでのAMDプラットフォームは、CPUとGPUを統合したAPU向けにSocket FM2+、CPU向けにSocket AM3+といった具合に、APUとCPUでプラットフォームが別れていましたが、Socket AM4はこれら二つのプラットフォームを統合し、CPUとAPUの両方が利用できるプラットフォームとなります。
Socket AM4では、新たにDDR4メモリがサポートされる形となるため、内蔵GPUコア向けにメモリ帯域が重要なAPUのさらなる高性能化が期待できるほか、 APUで安く組み上げたPCを、後ほどCPU+グラフィックカードという構成にアップグレードすることも可能になるでしょう。
●AMDでの自作はSocket AM4待ち
2017年初頭に予定されているRYZENの登場や、それに伴って本格的な普及が始まるSocket AM4プラットフォームは、これまでのAMD環境を刷新する大規模なアップデートとなります。これほど大規模なアップデートが近いうちに行われることが分かっている以上、今からSocket FM2+やSocket AM3+で自作PCを製作するのをお勧めすることはできません。
もちろん、現在のプラットフォームの仕様に納得された上で選ばれるのであれば問題ありませんが、少しでも良い性能のPCをより長く使いたいとお考えであれば、自作PC向けにSocket AM4プラットフォームが登場するのを待つことをお勧めします。