Ryzen 7やDDR4メモリのサポートが追加となる新ソケットのSocket AM4ですが、AMDの主力CPUソケットとしてはSocket AM2以来互換性が保たれてきたCPUクーラー固定マウンタの固定穴の位置が変更となりました。これにより、市販されているCPUクーラーの多くは、Socket AM4対応のリテンションキットが無ければ取り付けられないという状況となっています。
したがって、ソケット周辺に標準で搭載されている樹脂製マウンタを利用してクーラーを固定するタイプの製品であれば、Socket AM4でも引き続き利用が可能です。
一方で、純正の樹脂製マウンタをマザーボードに固定するため、マザーボードの基板に空けられているねじ穴の位置は変更されました。
この結果、独自のマウンタを取り付けるタイプのCPUクーラーは、Socket AM2からFM2+をサポートしている製品であっても、Socket AM4への取り付けは不可能となっています。NoctuaやCryorigなど一部のメーカーはSocket AM4に対応したリテンションキットを用意することを発表しており、これを用いることでSocket AM4での利用が可能となる予定です。
●過去のCPUクーラーは使えないと思った方が無難
以上の通りSocket AM4では、純正のマウンタを利用するか否かの違いにより、Socket AM2からFM2+に対応しているCPUクーラーでも使えるものと使えないものが混在しています。
ただ、サードパーティー製で高性能なCPUクーラーの多くは取り付けられない側に属しています。その点を考慮すると、基本的にはSocket AM4対応とスペックに明記されていないCPUクーラーについては「使えない」と考えておいた方が無難でしょう。
Ryzen 7でも型番に「X」が付与されている1800Xと1700Xには、純正CPUクーラーが付属しないため、Socket AM4対応CPUクーラーを別途用意する必要があります。必ず、Socket AM4に対応可能か否かを確認したうえで、CPUクーラーを購入されるようご注意ください。