今回は、これからPCを自作される方や、夏に向けてCPUの冷却を強化しておきたい方に向けに、CPUクーラー選びのポイントをご紹介します。
取り付けられるかが最重要
CPUクーラー選びにおいてまず確認する必要があるのは、CPUクーラーが取り付けようとしているPCに搭載できるのかという点です。
CPUクーラーが取り付け出来ない主な条件としては、
「CPUクーラーの取り付けキット(リテンションキット)がCPUソケットをサポートしていない」
「CPUクーラーが周辺のパーツやケースと干渉して取り付けられない」
の2つのケースです。
「CPUクーラーの取り付けキット(リテンションキット)がCPUソケットをサポートしていない」
「CPUクーラーが周辺のパーツやケースと干渉して取り付けられない」
の2つのケースです。
CPUクーラーをCPUに搭載する時、CPUクーラーに付属するリテンションキットでマザーボードに固定します。この固定方法はCPUソケット毎に異なっているため、CPUクーラーは取り付け可能なCPUソケットを製品情報に記載しています。
最近発売されたAMDのSocket AM4は、Socket AM3以前とは固定方法の一部が変更されているため、多くのCPUクーラーでは専用のリテンションキットが必要となります。Ryzenの冷却用としてCPUクーラーを購入するのであれば、Socket AM4対応と記載された製品を選択しましょう。
CPUクーラーが周辺パーツやケースと干渉するという状況は、大型のCPUクーラーを搭載した時に多く発生します。高さが160mmを超えるCPUクーラーは、ミドルタワータイプのケースでも側面パネルとの干渉が発生しがちです。また、140mm以上のファンを搭載するCPUクーラーは、メモリスロットやPCI Expressスロットと干渉する場合が多いため、マザーボードのレイアウトに十分な注意が必要です。
ケースとの干渉に関しては、近年は搭載可能なCPUクーラーサイズを記載しているPCケースが増えてきているのでそれを確認する方法や、ケースの横幅マイナス40mmくらいの基準でCPUクーラーを選ぶことで、側面パネルとの干渉は回避しやすくなります。また、ケースやマザーボードの製品名と、CPUクーラーの製品名で検索して、同じ構成での搭載例がないか探してみるのも有効です。
必要な冷却性能を確保しましょう
120mmよりも大きなファンを搭載するCPUクーラーの多くは、現在主流のCPUを十分に冷却できる性能を持っています。Intel LGA1151やAMD RyzenのTDP 65W以下のCPUであれば、92mmサイズのファンを搭載したCPUクーラーでも、多くの場合、冷却性能的には十分に対応可能です。
ただ、冷却性能に余裕がある製品を選択すれば、そのポテンシャルをいかしてファンの回転数を落とすことが可能となるため、PCの動作音をより静かにできる可能性があります。
このため、PCケースやマザーボードのレイアウトによる制約が無いのであれば、基本的には120mm以上の大型ファンを搭載するCPUクーラーを選択することをお勧めいたします。
なお、140mmファンを複数搭載する大型空冷CPUクーラーや、240mmサイズ以上のラジエーターを備えるオールインワン水冷クーラーは、CPUをオーバークロックされる方向けの製品です。もちろん、オーバークロックせずに利用しても良いのですが、CPUクーラー自体のコストが高いため、コストパフォーマンスという面では5,000~7,000円前後の方が優秀です。
最低限の項目を満たせば、後は好みで選びましょう
取り付け可能であることと、必要最低限な冷却性能を持っていることの2点を満たしていれば、CPUクーラーとして問題なく機能することが期待できます。あとは、見た目の好みなどで選んで問題ありません。
最近はアクリルパネルやガラスパネルを採用したPCケースも多いため、見栄えの良いヒートシンクや、LEDライティング機能の優れた製品を選ぶことで、PCの見栄えをより良い物にすることもできます。