今夏登場予定のRyzen Threadripperが注目を集めるAMDですが、既存のRyzen シリーズとSocket AM4マザーボードの組み合わせは、安くマルチスレッド性能に優れたPCの組み立てに適しています。ここで、改めてRyzen シリーズとSocket AM4マザーボードについて、その選び方をご案内いたします。
4C8T~8C16Tまでが選べるRyzen シリーズ
AMDのRyzen シリーズは、Zenマイクロアーキテクチャを採用したAMDの最新鋭CPUで、現在のところRyzen 5とRyzen 7の2ブランドで製品が販売されています。
上位のRyzen 7は、いずれも8コア16スレッド(8C16T)のCPUであり、大変優れたマルチスレッド性能を持っています。趣味で動画の制作などをされる方には、動画の書き出しやエンコード時間を大きく短縮できる魅力的なCPUです。
Ryzen 5には6コア12スレッド(6C12T)モデルと、4コア8スレッド(4C8T)モデルが用意されています。
Ryzen 5の6C12Tモデルは、Intel Core i5の上位モデル並の価格でCore i7級のマルチスレッド性能を得られるCPUです。また、上位の1600Xはシングルスレッド性能もそれなりに高いので、ゲームなどでのパフォーマンスも期待できます。
Ryzen 5の4C8Tモデルは、2万円前後という価格の安さが魅力であり、安価なマザーボードと組み合わせれば、動画の制作でもそれなりの性能が期待できるコストパフォーマンスの高いPCが構築できます。
1万円以下から選べるSocket AM4マザーボード
Ryzenシリーズが利用できるSocket AM4マザーボードには、「X370」「B350」「A320」という3種類のチップセットが用意されています。
チップセットの機能的には、マルチグラフィックス技術にも対応する最も多機能なX370を頂点に、やや機能を絞ったB350、B350からオーバークロック機能まで削ったA320と言った形で機能が削られていきます。
現在のSocket AM4マザーボードでは、メインストリーム以上の機能を持つマザーボードはX370を搭載しており、コストを抑えたエントリークラスの製品にB350、最低限の装備で1万円を切る価格を実現するローエンド製品にA320が採用されています。
CPUを定格のまま運用するのであれば、自分が必要とする機能を持ったB350やA320搭載マザーボードでも十分です。ただ、常用可能なオーバークロックを目指すのであれば、B350でもオーバークロック自体は可能ではあるものの、マザーボード上の電源回路に余裕を持たせた設計のX370マザーボードを選択した方が、安心して運用できるでしょう。