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MLC、TLC…フラッシュメモリの記録ビット数についてご紹介

 現在販売されているSSDのほとんどが、記憶素子にフラッシュメモリを採用しています。今回は、このフラッシュメモリの種類である「MLC」や「TLC」について、その特性を紹介いたします。

メモリセルの「記録ビット数」を示す分類

 フラッシュメモリにおける「MLC」や「TLC」という分類は、フラッシュメモリの記憶構造であるメモリセルに記録できるデータ量(記録ビット数)を表す分類です。

 もともと、メモリセルには1bitのデータしか記録できませんでしたが、その後倍の2bitのデータが記録できるメモリセルが開発され「MLC」と呼ばれるようになりました。さらにその後、3bitのデータ記録が可能なメモリセルが開発され「TLC」と呼ばれています。

 同じ面積で同じメモリセル数のフラッシュメモリであれば、1bit記録(SLC)に対して、MLCなら2倍、TLCなら3倍のデータを記録できるようになるので、フラッシュメモリの記憶容量を大幅に増加させることが可能となります。
 MLCやTLCは、フラッシュメモリの容量を飛躍させる大容量化技術ですが、1つのメモリセルに複数のデータを記録する際、メモリセル内の電圧レベルを細かく制御する必要があり、このためメモリセルの書き換えの速度低下や、メモリセルの書き換え寿命を縮めてしまうというデメリットもあります。

 もっとも、現在では、速度の低下や書き換え寿命はストレージデバイスとして実用的なレベルにあるため、一般消費者向けのSSDはMLCやTLCが主流となっています。
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記録ビット数と性能の関係

 2017年6月現在、MLCからTLCへの移行が進行している最中で、新製品へのMLCの採用は性能を重視したハイエンドSSDに限られ、多くのSSDはTLCを採用しています。 

 TLCを採用したSSDでも、多くはその書き換え速度の遅さを補うため、搭載しているフラッシュメモリの一部を「1bit記録のメモリセル(SLC)」として利用し、それを書き込み時のキャッシュとして利用することで、TLCの書き換え性能の低さが露呈しにくいように対策がとられています。

 ただ、あくまでキャッシュとして速度を稼いでいる形であるため、大容量かつ高速な書き込みが連続するとTLCメモリの書き換え速度の遅さが表面化することもあります。大容量の書き込み性能を必要とする用途であれば、高価であってもMLCを採用したSSDを選択する意味はあるでしょう。

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