メインメモリのスペックにおいて「15-15-15-36」のように記載される「メモリタイミング」についてご紹介します。
●数値が小さいほど高性能であることを示す「メモリタイミング」
メモリタイミングとは、メモリがデータの読み書きを行う際の各動作に掛かる時間(レイテンシ)のことです。先に紹介した「15-15-15-36」であれば、先頭から「tCAS」、「tRCD」、「tRP」、「tRAS」という各動作に要する時間を示しており、この単位は「クロック」です。
ここでは各動作の詳細については省きますが、各動作をより少ないクロックで完了することができるのであれば、メモリはより高速に動作するということになります。つまり、基本的には、メモリタイミングは数値が小さいほど、「各動作の待ち時間が少ない=低レイテンシなメモリ」であることを示すスペックとなっています。
●メモリタイミングはメモリクロックと連動した数値
メモリタイミングは小さいほど性能が高くなると紹介しましたが、数値の単位がクロックであるため、メモリタイミングはメモリクロックと連動した数値となっています。
例えば、DDR4-2133メモリ(実クロック1066MHz)のtCASが15である場合、これを時間に換算すると「14.1ナノ秒」になります。
一方、DDR4-3200メモリのtCASが16である場合、時間に換算すると「10.0ナノ秒」となり、メモリタイミング数字が大きなDDR4-3200メモリの方が、実際の動作に掛かる時間は短いものとなります。
・DDR4-2133 tCAS=15の場合 …… 15クロック ÷ 1066メガクロック = 14.1ナノ秒
・DDR4-3200 tCAS=16の場合 …… 16クロック ÷ 1600メガクロック = 10.0ナノ秒
同じ動作クロックのメモリであれば、メモリタイミングが小さい方が高速であると言えますが、異なるメモリクロックを比較する場合、単にメモリタイミング数値だけを見ても、どちらがより低レイテンシなメモリであるかまでは判断できない点に注意しましょう。