パーツの選び方 自作PCの知識

【2018年末版】CPUクーラーの選び方

 2018年末版CPUクーラーの選び方として、プラットフォーム毎のCPUクーラーの選び方をご紹介いたします。
enermax_x399

【LGA1151 & Socket AM4】上位モデルは侮れない発熱

 IntelのLGA1151とAMDのSocket AM4は、ともにメインストリーム向けのプラットフォームです。低コストなCPUから8コアCPUまで多種多様なCPUが存在しています。
 メインストリーム向けCPUの場合、大半は120mmファンを利用する空冷CPUクーラーを使うことで十分な冷却が得られます。TDP 65W以下の製品であれば、より小型の空冷CPUクーラーでも冷却できるでしょう。

 ただし、例外的な存在と言えるのがTDP 95W以上のCPUです。中でも8コア16スレッドCPUであるCore i9-9900KやRyzen 7 2700Xなどは特に高発熱であり、120mmファン搭載CPUクーラーでもヒートシンクが小型なものでは冷却が厳しくなる場合があります。

 これらのCPUを冷却する場合、空冷CPUクーラーであればサイズの「虎徹 Mark II」以上を用意したいところです。オーバークロックでの常用を狙うのであれば、2基のファンを備えたハイエンド空冷や240mm以上のラジエーターを持つ水冷クーラーの導入を検討しましょう。

【LGA2066】10コア超のCPUには、水冷 or ハイエンド空冷を使いましょう

 Intelのハイエンド向けCPUである「Core Xシリーズ」を擁するLGA2066プラットフォームは、CPUのTDPが140Wや165Wと大きなものとなっています。

 10コアのCore i9-7900X程度までであれば、5,000~6,000円前後のミドルレンジクラスの空冷クーラーでも冷やせるレベルなのですが、それ以上のコア数のCPUになると高負荷時の発熱量がかなり大きなものとなるため、巨大なヒートシンクを採用したハイエンド空冷クーラー、または240mm以上のラジエーターを備えた水冷クーラーの利用がおすすめです。

【Socket TR4】Ryzen Threadripperには専用CPUクーラーがおすすめ

 AMDのハイエンド向けCPU「Ryzen Threadripper」を擁するSocket TR4プラットフォームは、32コア64スレッドCPUの「2990WX」を頂点に、非常にコア数の多いCPUがラインナップされています。

 Ryzen Threadripperは最大動作温度が68℃と低いのが特徴で、サーマルスロットリングを起こさず、CPUの性能を最大限に引き出すためには、CPUクーラーにはRyzen Threadripperのコア温度が68℃以下に保てる冷却能力が求められます。

 基本的には240mmラジエーターを備えた水冷クーラーと同等以上の冷却性能を持ったCPUクーラーを用意すべきです。予算が許すのであれば、Ryzen Threadripperの巨大なヒートスプレッダを完全にカバーできるようにベース面を専用設計したRyzen Threadripper専用CPUクーラーを選びましょう。

【注意】Ryzen
Threadripperの製品パッケージにはAsetek製水冷クーラー向けのマウンティングキットが付属しており、CorsairやNZXTなどの水冷クーラーを取り付けることが出来るのですが、これらのCPUクーラーはCPUのヒートスプレッダの全面を覆うことが出来ません。

-パーツの選び方, 自作PCの知識