PCに発生する不具合の中でも厄介なものが起動不良です。組み立て終えたPCに電源を投入しても起動しない場合や、普通に使えていたPCがある日突然起動しなくなるといった形で、遭遇することがあります。
今回は、この手の起動不良の原因を知る手がかりとなる機能をご紹介します。
原因特定の大きなヒントとなる「デバッグLED」と「インジケーターLED」
起動不良が発生した際に大きな手掛かりとなるのが、マザーボード上に実装された「デバッグLED」と「インジケーターLED」です。
インジケーターLEDはデバッグLEDの簡易版とでも言うべき機能で、セルフテスト実行中のデバイスに対応したLEDが発光するというものです。このため、不具合によりテストが進捗しなくなった場合は当該デバイスのLEDが発光したままになります。仮に、DRAMのインジケーターLEDが点灯したままの状態で起動する気配が無いようであれば、メインメモリ関連の問題が発生していると考えられます。
このように起動不良の原因特定に大いに役立つデバッグLEDとインジケーターLEDなのですが、最近の製品ではこれらの機能が省略されている製品が増えつつあります。また、マザーボード上に実装されているため、PCケースに組み込んだ状態では確認できない場合があるのも難点です。
不具合の原因をざっくりと切り分けられる「ビープ音」
効率的に不具合の原因を探れるものの、使えるマザーボードが限られているLED表示に対して、ほぼ全てのマザーボードで使える不具合特定機能が「ビープ音」です。
ビープ音とは、ビープスピーカーの発する電子音のことで、ほぼすべてのマザーボードが起動時のセルフテストの結果をビープ音として報告する機能を備えており、別売りのビープスピーカーを購入することで、起動時にビープ音によるセルフテスト結果を確認できます。
ビープ音は短音や長音の回数と組み合わせによってテスト結果を報告しますが、これはマザーボードメーカーによって意味が異なるため、詳しい内容を知るためには各マザーボードメーカーのビープ音コード表を確認する必要があります。
ただ、ビープ音コードが示す不具合内容の詳細が分からなくとも、正常なことを示す基本の音(短音×1 or 長音×1)が鳴ればUEFIまでは起動できていることが確認できますし、複雑な組み合わせの音が発生する場合はセルフテストでの異常、うんともすんとも言わない場合はセルフテスト以前の問題であるといった具合で、ざっくりと不具合の原因の知る手がかりが得られます。
不具合特定に役立つLEDを搭載していないマザーボードをお使いになられるなら、ぜひともビープスピーカーを購入されることをおすすめします。毎回起動時に電子音が鳴るのが煩わしいようであれば、正常に組み立てが確認できた後はビープスピーカーを取り外し、起動不良が発生した際に改めて取り付けるという使い方でも良いでしょう。