パーツの選び方 メモリの知識

大容量メモリを実現するためのマザーボード選び

DDR4メモリがお求めやすい価格になっている現在、せっかくなら大容量のメモリを搭載したいと考えておられる方もおられるかと思います。本日は、大容量のメモリを搭載するためのマザーボードの選び方をご紹介します。

一般的な自作PC向けマザーボードの最大メモリ容量は16GB×メモリスロット数

 2019年6月現在、一般消費者向けに普及しているDDR4メモリの最大容量は1枚当たり16GBとなっています(現在発売されている32GBメモリについては後述)。このため、自作PC向けのマザーボードが搭載可能な最大メモリ容量は、基本的に「16GB×メモリスロット数」となっています。

 ▼メモリスロット数と最大メモリ容量
 ・メモリスロット×2本 = 32GB(16GB×2枚)
 ・メモリスロット×4本 = 64GB(16GB×4枚)
 ・メモリスロット×8本 = 128GB(16GB×8枚)

 IntelのLGA1151やAMDのSocket AM4対応マザーボードの多くは、4本のメモリスロットを備えておりますので、16GBモジュールを4枚搭載することで64GBのメモリ容量を実現できます。ただし、Mini-ITX規格やローエンドマザーボードでは、スペースやコストの関係でメモリスロットが2本しか無い場合もありますので、64GBメモリを搭載されたい方は注意しましょう。

 メモリを128GBまで搭載できる8本のメモリスロットを備えたマザーボードは、クアッドチャンネルメモリに対応するIntelのLGA2066やAMDのSocket TR4向けのマザーボードに限られます。なお、クアッドチャンネルでの8枚挿しではメモリの相性も特にシビアになりますので、安定した動作の実現には8枚組のメモリキットの購入をお勧めします。

 今後は一般的に利用できる32GBも登場してくる予定ですが、32GBという容量に対応するにはマザーボード側のBIOS調整などの課題も残されていると思われます。

2本のメモリスロットで64GBを実現する「ダブルキャパシティメモリ」

 先述の通り、基本的には「16GB×メモリスロット数」が現在の最大メモリ容量なのですが、ASUS ROGチームとG.Skillのコラボレーションにより特別に設計された「ダブルキャパシティメモリ」は、1枚で32GBの容量を実現しており、2本のメモリスロットで64GBのメモリ容量を実現可能にしています。

 G.Skillのダブルキャパシティメモリである「Trident Z RGB DCシリーズ」は、1枚のモジュールに搭載するDRAMの枚数を16枚から32枚に増加させることで容量を倍増させています。一方、前述の一般的に使用できる32GBはDRAMの枚数は16枚の構成となっています。
TridentZ DC
 特殊な設計を採用したダブルキャパシティメモリを利用できるのは、Intel Z390 チップセットを搭載したASUS ROGブランドのマザーボードの一部のみとなっていますが、Mini-ITXマザーボードの「ROG STRIX Z390-I GAMING」に64GBメモリを搭載できるのは、他の組み合わせには無いユニークな特徴であると言えるでしょう(現状ではこの32GBを4枚使い128GBでの使用はできません)。

 → Trident Z RGB DCシリーズ 取扱製品一覧

 ▼Trident Z RGB DCシリーズ対応マザーボード
 ・ROG Z390 MAXIMUS XI APEX
 ・ROG MAXIMUS XI GENE
 ・ROG STRIX Z390-I GAMING

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