マザーボードのBIOS(UEFI)は、いつ更新すればよいのでしょうか? 今回はBIOSのアップデートをするべきタイミングについてご紹介いたします。
必要性が無い限りBIOSのアップデートは非推奨
マザーボードのBIOSは、マザーボード上のインターフェイスや各種デバイスの認識や制御を行う基本的なシステムです。
マザーボードメーカーは機能改善や互換性向上などを目的に、BIOSの更新用ファイルを提供しており、ユーザーはそのファイルを用いてマザーボードのBIOSをアップデートすることができるのですが、このBIOSアップデートは必要性が無い限りは非推奨とされています。
非推奨とされる理由は、BIOSアップデートに失敗すると、基本的なシステムを失ったマザーボードが起動不可能な状態に陥るためです。
現在はかなり安全性の高いアップデート方法が提供されているため、停電などの事故が起きない限りBIOSアップデートが失敗する可能性は小さなものとなっています。しかし、失敗した際に生じる不具合が致命的なものであるため、PCが不具合なく動作している状態では、BIOSをアップデートするべきではないというのが基本的な考え方です。
▲BIOSのダウンロードは各マザーボードの製品ページの「サポート」タブ内に配置されていることが多い
BIOSを更新するべきタイミングとは?
では、BIOSアップデートを実行すべきタイミングとはいつなのでしょうか。いくつかの事例をご紹介いたします。
▼新CPUのサポートなど、新しいハードウェアへの対応
新しいCPUが発売されると、マザーボードメーカーは新しいCPUを正しく機能させるためにBIOSを更新することがあります。
▼セキュリティ問題の改善
CPUがハードウェア的な脆弱性を抱えている場合、その問題を解決するためのマイクロコードが含まれたBIOSが提供される場合があります。
近年では、Intel製CPUで報告されたSpectreやMeltdownという脆弱性への対策BIOSが提供されました。CPUの脆弱性はPCのセキュリティに関わる無いようであるため、BIOSの更新での改善が推奨されます。
▼互換性問題の改善
マザーボードは互換性の問題を抱えている場合があり、問題に遭遇するとメモリが上手く動作しなかったり、マウスやキーボードなどUSBデバイスが正常に動作しないなどの不具合が生じます。
マザーボードメーカーはこうした問題を改善した際、「Improved DRAM compatibility.」(メモリ互換性の改善)などの内容でBIOSアップデート用ファイルを提供しますので、デバイスの動作や認識に問題が生じている場合はBIOSアップデートを行ってみましょう。
▼パフォーマンスや安定性の改善
BIOSの更新によって、CPUやメモリなどのパフォーマンスと性能が改善される場合があります。こうしたアップデートは、「Improve system stability.」(システム安定性の改善)や「Improve system performance」(システムパフォーマンスの改善)という名目で提供されます。
これらのアップデートは、具体的な問題に遭遇していない場合はアップデートが推奨されないものです。PCの動作が安定性を欠いている場合や、ベンチマークテストで期待どおりの性能が発揮できない場合にBIOSアップデートを試してみましょう。