2019~20年冬シーズンのGPUの選び方を、「ミドルレンジ」「ハイエンド」「エントリーゲーマー」の3つ観点からご紹介していきます。今回は「エントリーゲーマー」のご紹介です。
ここで紹介するエントリーゲーマー向けの選び方は「低コストで手軽にPCゲームを楽しめる」ことを基準としています。高画質や高フレームレート動作を必要とされる方は、別途ご紹介する「ミドルレンジ」や「ハイエンド」をご覧ください。
NVIDIAのエントリーゲーマー向けGPU
NVIDIAのGPUラインナップでエントリーゲーマー向けに該当するのは、GeForce GTX 1650 シリーズと、GeForce GTX 1660です。
これらのGPUを搭載したグラフィックカードは、おおむね2万5千円以下で購入可能です。
この中で特におすすめのGPUは、2万円前後で購入できるGeForce GTX 1650 SUPERです。価格と性能のバランスに優れており、フルHD解像度であれば、それなりの画質設定で多くのゲームを楽しむことができます。
GeForce GTX 1660は3製品の中では一つ格上のGPUであり、その性能や6GBのメモリ容量は、ゲームの画質やフレームレートを高めるのに役立ちますが、GeForce GTX 1650 SUPERより5,000円ほど高価なのがネックです。
一方、GeForce GTX 1650は1万円中盤で購入できますが、ゲーム用途にはいささか力不足です。一部のMoBAゲームや描画設定を引き下げればゲームを楽しむことも可能ですが、価格と性能の差を考えると、やはりGeForce GTX 1650 SUPERがこのクラスではベターな選択肢と言えるでしょう。
AMDのエントリーゲーマーGPU
AMDのGPUラインナップでエントリーゲーマー向けに該当するのは、Radeon RX 5500 XTと旧世代のRadeon RX 500 シリーズです。
7nmプロセスと新設計のNaviを採用するRadeon RX 5500 XTは、ゲーミング性能と電力効率に優れている一方、14nm世代で設計も古いRadeon RX 500 シリーズは電力効率で大きく劣るものの、実性能とコストパフォーマンスでは今でも競争力を有しています。
Radeon RX 5500 XTはGeForce GTX 1650 SUPERの競合GPUで、純粋なゲーミング性能ではGeForce GTX 1650 SUPERをやや上回る実力を備えています。価格もやや高いため、コストパフォーマンスでは同程度となっています。
なお、Radeon RX 5500 XTにはメモリ容量が8GBの製品が存在しており、メモリ消費の大きいゲームではアドバンテージとなり得ますが、8GBモデルの価格は格上のGeForce GTX 1660と同程度であるため、コストパフォーマンスでは不利なのが現状です。
一方、旧世代のRadeon RX 500 シリーズは、旧世代製品らしく価格が下落しており、Radeon RX 5500 XTと同程度の性能を備えたRadeon RX 590や、その8割程度の性能を備えたRadeon RX 570がより安価に購入できます。特に、Radeon RX 570は1万円中盤から購入可能であり、コストパフォーマンスにおいてはNVIDIA製品を含め最高クラスに位置しています。