自作PCの知識

自宅PCをアップグレードしよう ~ SSD換装編

 テレワークの機会が増え、自宅で使用するPCのパフォーマンスに不満を感じている方もいらっしゃるのではないかと思います。そこで、PCアップグレードの手がかりとなる情報を紹介します。今回はHDDからSSDへの換装についての紹介です。

 すこし古めのPCやエントリークラスのPCでは、OSをインストールしているシステムストレージにHDDを使用している場合があります。このようなPCをお使いの場合、システムストレージをSSDに換装することでPCの快適性を大きく改善することが可能です。

HDDの換装には2.5インチ型SATA SSDがおすすめ

 PC向けに販売されているSSDには様々な種類が存在していますが、HDDからSSDへの換装にもっとも適しているのは、2.5インチ型のSATA SSDです。

 これは、ディスクトップPC向けのHDDのほとんどが、3.5インチ型または2.5インチ型で、インターフェイスにSATAを採用しているためです。3.5インチ型HDDへの換装にはマウントアダプタが必要ですが、2.5インチ型SATA SSDとSATA HDDはインターフェイスが共通であるため、HDDをそのまま置き換える形で換装することができます。

 なお、SATA SSDが用いるインターフェイスのSATAには、6Gbpsや3Gbpsのように速度の異なる規格が存在しますが、コネクタの規格は共通で互換性が確保されています。速度は遅い方の規格が上限となるため性能をフルに発揮することはできませんが、SATA 3Gbps対応のPCでも最新のSATA 6Gbps対応SSDを使うことは可能です。

 一方、ノートPCでは5年以上前までは2.5インチのHDDが主流でしたが、そこから2.5インチSSD→M.2 SSD(SATA)→M.2 SSD(NVMe)へと急速にシフトが進んでいます。ノートPCのストレージを自分でアップグレードする場合は、インターフェイスが合わないと接続できないため、規格をしっかりと調べておく必要があります。またノートPCを分解してHDD/SDDの換装が可能かどうかもネットの情報などで確認してみましょう。

メジャーメーカーのSATA SSDにはクローンソフトが付属

 CrucialやWestern Digitalの販売する一部のSSDには、クローンソフトの使用権が付属しています。これを用いることで、OSをまるごとSSDにコピーすることができます。
western digital sata ssd
 換装に先立ってOSをSSDにコピーしておけば、OSを再インストールする手間を省けます。ただし、クローンソフトを使ってOSをコピーするには、コピー元のHDDとコピー先のSSDを同時にPCに接続する必要があります。

 複数のストレージを搭載できる自作PCではそれほど問題になりませんが、ノートPCなどではSSDを外付けするためのUSBケースなどが必要です。USB 3.0対応の外付けケースは1000円程度から購入できますので、クローンソフト使用権付きのSSDとの同時購入をご検討ください。

HDD→SSD換装の効果は大、最初に検討すべきアップグレード

 HDDからSSDへの換装は非常に効果の大きいアップグレードです。交換用として便利なSATA SSDでも、HDD比で数十倍のランダムリード性能を備えているため、OSやアプリケーションの起動時間を大幅に短縮し、PCのレスポンスを大きく改善できます。

 このため、システムストレージとしてHDDを搭載したPCをお使いであれば、SSDへの換装は最初に検討すべきアップグレードであると言えます。PCの動作に不満を感じられているのであれば、SSDへの換装を検討してみましょう。

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