CPUクーラーの中でも、手軽に高いCPU冷却能力が得られるオールインワン水冷クーラーは人気の製品です。今回は、オールインワン水冷クーラーがPCケースに取り付け可能なのかを判断するポイントをご紹介します。
実寸を示すものではない水冷クーラーの「ラジエーターサイズ」
オールインワン水冷クーラーは、ラジエーターをPCケース内のファンステイに固定するため、搭載の可否はケースのファンステイ仕様を確認することになるのですが、注意すべきは「ラジエーターサイズ」がラジエーターの実寸を指すものではないことです。
ラジエーターのサイズは、搭載可能なファンサイズに対応したものです。120mmファン1基を搭載できるものは「120mmラジエーター」、120mmファンを2基並べて搭載するものは「240mmラジエーター」と呼ばれますが、ラジエーター自体の実寸は、搭載可能なファンよりも大きいものとなります。
このため、ケースのファンステイが、冷却ファンの搭載スペースしか確保していない場合、ラジエーターとケースのシャーシが干渉して取り付けられない場合があります。
この問題を避けるため、最近のケースには、ファンステイに搭載可能なファンのサイズや数とは別に、搭載可能なラジエーターサイズを表記しているものがあります。
▲ThermaltakeのWebサイトの表記
また、ケースのマニュアルには同時に利用できるラジエーターの組み合わせまで記載しているものもありますので、使いたいケースの製品ページやマニュアルをチェックして、水冷クーラーのラジエーターが取り付けられるのかチェックしましょう。
見落としがちな「チューブ長」
PCケースには、フロントやトップ、ボトムなど、様々なポジションにファンステイが用意されており、複数のポジションに水冷ラジエーターを搭載できるケースも登場しています。
先に紹介した通り、ファンステイがオールインワン水冷のラジエーターサイズに対応していれば、そこにラジエーターを取り付けること自体は可能なのですが、注意したいのが水冷クーラーのチューブ長です。
奥行きの長いPCケースのフロントや、ボトム配置のファンステイにラジエーターを取り付ける場合、オールインワン水冷クーラーはチューブの長さが足りずにCPUソケットまで届かない場合があります。
これを避けるためには、オールインワン水冷クーラーのチューブ長が十分であるのか、ケースの寸法と見比べて判断する必要がありますが、チューブの柔軟性や他のパーツとの干渉回避、奥行きと言った要素もあるため、ファンステイからCPUソケットまでの距離は、チューブ長より十分に短くなければなりません。
これをスペック情報だけで判断するのは難しいので、使用予定のケースと水冷クーラーの型番でウェブ検索を行い、組み合わせの実例が無いか探してみると良いでしょう。