パーツの選び方 自作PCの知識

CPUの内蔵機能をおさらい

近年発売されているCPUには、演算を行うCPUコアの他にも複数の機能が内蔵されています。今回は、それらのCPU内蔵機能にどのようなものがあるのか、あらためて紹介いたします。
Ryzen 5000

メモリコントローラ(IMC、UMC)

 現代のCPUは、メインメモリのコントロールを行う「メモリコントローラ」を内蔵しています。これらは「IMC(Integrated Memory Controller)」や「UMC(Unifide Memory Controller)」とも呼ばれます。

 かつては外部のチップセットに搭載されていたメモリコントローラは、CPUに内蔵されたことによって、より低レイテンシで高速なメモリアクセスが可能となりましたが、CPUの世代や個体ごとにメモリコントローラの特性が変化するようになったため、オーバークロックメモリを利用する場合はCPU内蔵メモリコントローラとの相性が重要になります。

PCI Express

 最近のCPUは、外部機器との接続用インターフェイスとしてPCI Expressを内蔵しています。汎用性の高いPCI Expressは、ビデオカードやNVMe SSD、チップセットとの接続などに用いられます。

 PCI Expressは世代によって通信速度が異なっており、最新のPCI Express 4.0は1レーンあたり2GB/s、ひとつ前世代のPCI Express 3.0は1レーンあたり1GB/sの速度を実現します。また、後方互換性があるため、PCI Express 4.0に対応していれば、PCI Express 3.0以前の機器と接続することが可能です。

 CPU内蔵PCI Expressがどの世代に対応しているのかで上限速度が異なりますが、利用できる速度はマザーボードによって制限される場合があるので注意しましょう。

内蔵グラフィックス(iGPU)

 内蔵グラフィックスはCPUに内蔵されたGPUコアのことで、「iGPU(Integrated GPU)」とも呼ばれます。

 Intelのメインストリーム向けCPUや、AMDのAPUにはGPUコアが内蔵されており、これを用いることでグラフィックカードなしでも画面出力を行うことができます。

 内蔵グラフィックスの利用には、マザーボード側が画面出力のためのインターフェイス(HDMIやDisplayPortなど)を備えている必要があり、その出力能力はマザーボードに依存します。内蔵グラフィックスでの画面出力をお考えであれば、マザーボードの仕様に注意しましょう。

USBやSATA

 SoC(System on Chip)と呼ばれるCPU製品は、USBや6Gbps SATAなどを内蔵している場合があり、チップセットとは別にこれらの機能が利用できます。

 現在の自作PC向けCPUの中では、AMDのRyzenシリーズがUSBやSATAを内蔵しており、Ryzen 5000シリーズにはUSB 3.2 Gen 2や6Gbps SATAが内蔵されています。

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