近頃、「LHR版」と呼ばれるGPUを搭載したビデオカードが発売されています。今回は、LHR版がどのようなGPUなのかご紹介します。
マイニング性能を制限したLHR版GPU
LHR版GPUとは、Lite Hash Rate版GPUの略称で、近年盛り上がっている仮想通貨マイニングでのパフォーマンス(ハッシュレート)が低くなるようにチューニングされたGPUであることを指します。現時点では、NVIDIAのGeForce RTX 30シリーズの新規製造分がLHR版となっています。
基本的に、仮想通貨マイニング以外では、通常版とLHR版のパフォーマンスは同等であるとされています。ゲームやクリエイティブアプリでの利用をお考えであれば、LHR版であるか否かはあまり重要ではありません。
LHR版と呼ばれるのは2020年6月より前に発売済みのGPUのみ
LHR版は、それ以前にハッシュレートを制限していない通常版が発売されていたGPUの新バージョンに与えられる呼称です。
このため、発売当初からハッシュレートが制限されているGeForce RTX 3080 TiおよびGeForce RTX 3070 TiはLHR版と呼ばれませんが、実態としてはLHR版と同様の仕様となっています。仮想通貨マイニングでの利用を考えている方は注意しましょう。
仮想通貨マイニングをしない人にとって、LHR版であるか否かはパフォーマンスに影響しませんが、今後の仮想通貨マイニング需要次第では、下取り時の価格に影響が出てくる可能性はあります。古いパーツを売ってアップグレード資金を確保されている方は、購入価格と売却価格について少し考えてみてもよいかもしれません。