2021年末版「CPUの選び方」、今回はハイエンド編として4万円を超える価格のCPUについて紹介いたします。
4万円以上の価格帯では8コアCPUが最低ライン
2021年末時点で、4万円以上の価格帯に存在するCPUをリストアップしました。いずれも8コア以上のCPUコアを備えた製品となっています。
Alder Lake-Sの登場で変わるデスクトップ向けCPUの勢力図
このリストで特に注目すべき新製品が、11月4日に発売されたAlder Lake-Sこと第12世代Intel Coreプロセッサーです。
Alder Lake-Sは、従来のCPUを大きく上回るシングルスレッド性能と、同価格帯ではベストのマルチスレッド性能を実現しており、このリストには約8万円のCore i9-12900K(F)と、5万円台のCore i5-12700K(F)がリストに載っています。
ゲーミング用途ではそれぞれの価格帯におけるベストの座をRyzen 5000シリーズから奪取している強力なAlder Lake-Sですが、高いMTP値が示す通り最大消費電力と最大発熱量は大きく、マルチスレッド性能を最大限に発揮させるためには高性能なCPUクーラーが必要です。
その点、Ryzen 5000シリーズの上位モデルであるRyzen 9 5900XやRyzen 9 5950Xは、TDP 105Wで電力リミットであるPPTも142Wと控えめなので、マルチスレッド性能に対する電力効率に優れており、CPUの全コア全スレッドを使った処理を継続的に行う機会の多い方にとっては、依然有力な選択肢となっています。
HEDT向けCPUはアップデートなし
デスクトップ向けにはAlder Lake-SやRyzen 5000シリーズといった、最新設計のCPUが投入されている一方、HEDT(ハイエンドデスクトップ)向けのCPUは長らくアップデートがない状態が続いています。
一般的なデスクトップ用途であれば、Ryzen 5000シリーズやAlder Lake-Sでも必要十分なマルチスレッド性能は得られますし、これらのプラットフォームでも128GBまでのメモリ容量は実現可能となっています。ゲーミングに関してはHEDT向けよりもデスクトップ向けCPUの方が高速でもありますので、HEDT向けCPUの存在感は薄れているのが現状です。
基本的にはデスクトップ向けのRyzen 5000シリーズやAlder Lake-Sの利用をおすすめしますが、それらではマルチスレッド性能やメモリ容量が足りないという方は、HEDT向けCPUであるCore XやRyzen Threadripperをご検討ください。