パーツの選び方 自作PCの知識

仕事用ディスプレイ選び ~クリエーター編~

 今回は、仕事用PCで使うディスプレイの選び方として、クリエイターの方が利用するのに適したディスプレイを選ぶポイントを紹介いたします。

画面解像度はWQHD以上がおすすめ

 クリエイター向けのアプリケーションは、多くの場合ユーザーインターフェイスが複雑かつ多様ですので、必要なインターフェイスを画面内により多く表示できるスペースが必要です。

 この画面内の表示スペースに関連しているのが「画面解像度」で、フルHDと呼ばれるディスプレイであれば「1,920×1,080ドット」、4Kであれば「3,840×2,160ドット」となっています。これが大きくなるほど、画面内に表示できる情報の両は増えていきます。

 一口にクリエイター向けと言っても様々な用途がありますが、作業スペースとして使用するディスプレイについては、より多くの情報を表示できるWQHD(2,560×1,440ドット)以上の画面解像度を持つディスプレイがおすすめです。

画面解像度と画面サイズ

 ディスプレイには23.8インチや27インチといった様々な画面サイズが存在しています。画面サイズが同じ場合、先に紹介した画面解像度が大きくなるほど画面上に表示される情報量は増えますが、表示される情報のサイズ自体は小さくなってしまいます。

 適正な表示サイズは利用者の視力やディスプレイとの距離などにも影響されますが、一般的には画面解像度が2,560×1,440ドットのWQHDなら24インチ以上、4K(3,840×2,160ドット)なら29.5インチ以上がおすすめです。

 ただし、ユーザーインターフェイスの視認性が問われる作業用ではなく、写真や動画などのプレビュー用として利用される2台目以降のディスプレイについては、この限りではありません。

色域やカラーマネージメント機能

 写真やイラストなどで印刷物を扱う方であれば、ディスプレイが表示できる色域やカラーマネージメント機能に対応しているか否かが重要になってきます。

 色域とは色空間とも呼ばれるもので、ディスプレイにおいては「sRGBカバー率」や「Adobe RGBカバー率」という形でスペックに記載されています。PC上で閲覧されるコンテンツの作成であればsRGBが標準的ですが、本格的な印刷物を扱われる方はAdobe RGBカバー率の高いディスプレイを選択されると良いでしょう。

 また、ディスプレイの表示品質は個体差や経年によって変化するため、より正確な表示を得るためには、ハードウェアキャリブレーションによる補正が可能であることも重要です。キャリブレーション用のハードウェアやソフトウェアは、高価なディスプレイには同梱されている場合もありますし、別売りされている場合もあります。
キャリブレーションセンサー
▲EIZOのキャリブレーションセンサー

大画面やデュアルディスプレイではIPS液晶パネルがおすすめ

 現在主流の液晶ディスプレイには、パネルの種類によって表示品質や応答速度などの特性が異なる傾向があります。

 大画面のディスプレイや、デュアルディスプレイのように複数のディスプレイを使用する場合、ユーザーの視点から画面端までの角度がきつくなる場合があり、視野角の狭いパネルを使用しているディスプレイでは中心部と画面端で輝度や色が変わってしまう場合があります。

 不均一な表示品質は作業性にも影響を及ぼしますので、大画面やデュアルディスプレイでの利用には、比較的視野角が広いとされるIPS液晶パネルを採用したディスプレイを選ぶことをおすすめします。

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