AMDのRyzen 7000シリーズは、Ryzen 5000シリーズの後継となるデスクトップ向けCPUで、本日(2022年9月30日)に発売される最初の製品は、Ryzen 9 7950X、Ryzen 9 7900X、Ryzen 7 7700X、Ryzen 5 7600Xの4モデルです。
Zen 4アーキテクチャを採用した新世代CPU
Ryzen 7000シリーズは、新設計の「Zen 4アーキテクチャ」を採用しており、クロック当たりの命令実行数であるIPCが最大13%向上しています。
さらに、Ryzen 7000シリーズのCPUコアを備えるCPUダイ(CCD)は、TSMCの5nm FinFETプロセスで製造されており、7nmプロセスを採用していた従来のRyzen 5000シリーズより高クロック動作が可能となっています。
PCIe 5.0、DDR5メモリに対応し、供給電力を強化したSocket AM5
Ryzen 7000シリーズは、CPUソケットにも新設計のSocket AM5を採用しており、従来のデスクトップ向けであったSocket AM4とは互換性のないCPUとなりました。
Socket AM5では最新規格であるDDR5やPCIe 5.0が新たにサポートされました。これに伴い、Ryzen 7000シリーズのIOダイ(IOD)には、DDR5-5200対応メモリコントローラや、合計28レーンのPCIe 5.0が内蔵されています。
また、Socket AM5ではCPUへの電力供給が強化されています。ブースト動作時の電力リミットであるPPTは、TDP 170Wモデルで230W、TDP 105Wモデルは142Wとなっています。105WモデルのPPTはSocket AM4時代と同じですが、電流リミットのTDCやEDCが緩和されているので、電力リミットを使い切りやすくなっています。
CPUの内蔵GPUとして「Radeon Graphics」を搭載
Ryzen 7000シリーズのIODは6nmで製造されており、その内部にはRDNA 2アーキテクチャを採用したGPUコア「Radeon Graphics」が搭載されています。これにより、マザーボードが画面出力端子を備えていれば、ビデオカード無しでもディスプレイへの画面出力が可能となりました。
なお、Radeon Graphicsは最新アーキテクチャであるRDNA 2を採用したGPUコアではありますが、GPUコア数は2コアでしかないため、GPU性能自体はかなり低いものとなっています。