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剥がしていますか?CPUクーラーの保護シート

保護シート2
 上の写真は、CPUクーラーのベース面に貼付されている保護シートです。サードパーティ製のCPUクーラーを使ったことがある方なら似たものをご覧になられたことがあるかと思います。

 

 CPUクーラーのベース面は、CPUの発熱をCPUクーラーが受け取る熱伝導の要であり、ベース面への傷は熱伝導の効率低下を招きかねないため、梱包作業や輸送中に傷がつかないよう、保護シートが貼付されています。

 さて、この保護シートですが、あくまで目的はベース面に傷がつかないよう保護することであり、熱伝導性などはまったく考慮されていません。このため、もしもシートを剥がさないままCPUクーラーをCPUに取り付けてしまった場合、保護シートは強力な断熱材として機能してしまいます。

 保護シートの剥がし忘れによって、CPUからCPUクーラーへの熱伝導を大きく阻害されると、いくらCPUクーラーの冷却ファンを回してもCPUを十分に冷却することはできず、Intel Core i7-6700KのようなTDP 91WクラスのCPUで、使用率が100%になるような高負荷処理を実行すれば、CPU温度は簡単に100℃以上に上昇して熱保護機能が発動してしまいます。

 このため、負荷テストを実行してCPU温度をモニタリングすれば、保護シートの剥がし忘れにはすぐに気が付けるのですが、厄介なのは全く冷えないという訳でもないので、保護シートを剥がし忘れた状態でもPC自体は動作します。CPUが高負荷になる状況の少ない用途であれば、気づかないまま使い続けてしまう可能性もあるでしょう。

 現在のCPUは熱保護機能を備えているため、CPUクーラーの取り付けに不備があっても即座に壊れない一方、過熱により十分なパフォーマンスが発揮できないまま動作しているという状況が起こり得ます。

 CPUクーラーの交換を行う際は、マニュアルに従って手順通りに正しく取り付けを行うことはもちろんですが、取り付け完了後に負荷テストとCPU温度のモニタリングを行い、CPUが正常に冷却されていることを確認するようにしましょう。

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