電源ユニットとPCパーツは、さまざまな形状のコネクタを介して接続します。マザーボードはATX 24ピンとEPS 8ピン、ビデオカードであればPCI-Eの6ピンまたは8ピン、HDDやSSDならSATAコネクタ、といった具合です。
電源ユニットが備えるコネクタの数は、電源ユニットのスペック欄で確認することができます。以下の画像は、前回の「電源ユニットの選び方」でも引用したもの(玄人志向のWebサイトより)ですが、電源ユニットが備えるコネクタの総数は、ほとんどの電源ユニットが分かりやすい形で記載しています。
さて、ここからが本題です。上記の画像の電源ユニットでは、SATAコネクタを10本備えているとしているので、HDDやSSDなどのSATAコネクタ採用デバイスを10台までPCに組み込めるように思えます。
もちろん、接続できれば10台のSATAコネクタ採用デバイスを動作させることは可能です。ただ、その「接続する」ということが、ケーブルのレイアウトや長さが原因で行えないことが起こり得ます。
上の画像は同じ電源ユニットのケーブルとコネクタの構成図です。図中のケーブル長は簡略化されており、コネクタ間のケーブル長さは数字で記載されています。
この図をみると、10個のSATAコネクタは、2本のケーブルに5個ずつ実装されていることが分かります。電源ユニット側から最初のSATAコネクタまでのケーブル長は55cmで、以降15cm毎の間隔でSATAコネクタが実装されています。
このようなケーブルレイアウトの場合、多くのPCケースは3.5インチベイや2.5インチベイを隣接して配置しているため、SATAコネクタ間の15cm間隔というケーブル長は、隣接したHDDやSSDへの余裕をもって配線できる長さです。なので、すべてのSATAコネクタ用デバイスが近い距離に配置できるPCケースなら、10個のデバイスへの給電が可能でしょう。
しかし、ミドルタワーケースなどで、SATAコネクタを採用する光学ドライブへの配線も行うような場合、HDDやSSD用のベイから離れた位置に配置されていることの多い5インチベイへの配線でケーブル一本分、この電源ユニットだと5個分のSATAコネクタを消費してしまうことがあります。
このような、PCケースのレイアウトによるケーブル長の制約によって、実質的に使えないコネクタというのは、多くの電源ユニットとPCケースの組み合わせで発生します。あらかじめケースの内装と電源ユニットのケーブル長、コネクタレイアウトをよく確認して、使えるコネクタの数と使えないコネクタの数を想定することが重要になります。
ちなみに、先に紹介したようなミドルタワーケースでのケーブル長不足が予想される場合には、光学ドライブへの配線に、SATAコネクタ~4ピンペリフェラルの変換ケーブルを利用し、電源ユニットからは4ピンペリフェラルケーブルで配線するというような手もあります。あらかじめケーブル長の不足などが考えられる場合は、別売りの変換コネクタや延長ケーブルの利用も検討すると良いでしょう。
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