パーツの選び方

SSDとHDDの使い分け方をご提案

 2016年現在、自作PC向けのストレージデバイスはSSDとHDDの2種類に大別されています。あらためて、2種のストレージデバイスについての特徴を確認しながら、使い分け方を考えてみたいと思います。

●パフォーマンスと容量単価
  ハードディスクドライブ(HDD)は、高速で回転する磁気ディスクを記憶領域に採用したデバイスで、Solid State Drive(SSD)はフラッシュメモリを記憶領域に採用しています。

 ストレージデバイスとして重要な読み書きのパフォーマンスにおいては、HDDよりSSDが優れており、特にランダムアクセス性能については圧倒的にSSDが有利となっています。普及が始まったNVMe対応の高速SSDでは、シーケンシャルアクセスでもHDDの10倍以上の速度を出せる製品が登場しており、読み書き性能が求められる用途ではSSDが有利な状況となっています。

 一方、もう一つの重要な要素である「容量」については、2016年現在でもHDDの方が有利となっています。最大で10TBに達する容量を実現したHDDに対し、一般向けのSSDは2TB程度にとどまっており、容量当たりの価格でもHDDの方が割安となっています。ごく一部のエンタープライズ向け製品ではHDDを超える容量のSSDも登場しつつありますが、容量単価がHDDに追いつくのはまだまだ先になりそうなのが現状です。
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●SSDとHDD、それぞれの寿命
 HDDは高速で回転する磁気ディスクに対して、読み書き用の磁気ヘッドを動かして、データの読み書きを行います。これらメカニカルな機構で動作する関係で、機械的な寿命がHDDの避けられない部分です。また、非常に精密な機械であるため、衝撃に弱いという欠点もあります。

 一方、フラッシュメモリを用いるSSDでは、データの読み書きはすべて電気的に行うため、HDDのような機械的な寿命や衝撃に弱いという要素がありません。ただし、フラッシュメモリは書き換えを行うたびに素子が劣化するため、フラッシュメモリの書換回数の限界が寿命となります。この書換回数については、最近の製品ではTBW(総書き込みバイト数)としてスペックに記載されている場合もあります。
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●システム用には断然SSD。データ用や録画用にはHDD
 パフォーマンスが高い一方で容量単価が高く、書換回数に制限のあるSSDと、パフォーマンスは低いながら容量単価が安く、書換回数に制限のないHDD。それぞれの特徴に合う用途で使うことで、より長く快適に使うことができます。

 ランダムアクセスの多いOSやアプリケーションのインストール用ストレージには、SSDが圧倒的に有利ですし、ビデオカメラなどで撮影した大容量の動画ファイルを大量に保存する用途であれば、必要十分なパフォーマンスと安い容量単価が特徴のHDDが魅力的です。

 また、HDDの用途として、書換回数自体に制限がないという特徴は、NVIDIA ShadowPlayをはじめとするゲーム画面録画機能の保存先としても適しています。高画質かつ高解像度でのゲーム画面キャプチャには、ファイルの保存に大きな容量を必要とすることはもちろん、インスタントリプレイ機能では、常時録画データを記録しては削除するため、長時間のゲームプレイでは書き換え回数は膨大なものとなります。こういう用途はHDDに向いていると言えるでしょう。

 基本的に最近のSSDであれば、多くの場面でHDDより優れていることが多くなっており、 かなりヘビーな使い方をしない限り、SSD単体でも十分という方も少なくないかと思います。基本はSSD、録画やデータ保管で容量が必要な場合に追加でHDDを加えるという組み合わせがベターでしょう。


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