PCで画像を扱うアプリケーションとして、デファクトスタンダードとなっているのがAdobe Photoshopです。
かつては高価なソフトウェアの一つでしたが、現在ではAdobe Creative Cloud(CC)で提供されるアプリケーションの一つとして、月額1,000円程度から利用できるようになっており、より個人でも利用しやすいアプリケーションとなっています。
さて、このPhotoshopを快適に扱えるPCとは、どのようなパーツ構成のPCでしょうか。Adobeが公開しているPhotoshop CC(2017)の必要システム構成は以下の通りとなっています。
CPU:Intel Core 2、AMD Athlon 64 (動作クロック2GHz以上)
メモリ:2GB以上(8GB以上を推奨)
GPU:OpenGL 2.0対応。512MB以上のVRAM。(2GB以上のVRAM容量を推奨)
必要システム構成は、アプリケーションを実行するために必要最低限の構成であるため、この条件を満たせば快適というものではありませんが、少なくとも現在販売されているPCであれば、この必要システム構成はクリアできるかと思われます。
これをより快適に動作させるためのポイントとして注目したいのが、「メモリ(メインメモリ)」と「GPU」の構成です。Adobeによる必要システム構成の時点で、カッコ書きで推奨スペックが提示されているように、最新版Photoshopを快適に利用するためには、メインメモリの容量と、GPUが備えるVRAMの容量が重要になります。
●16GBは欲しいメインメモリ
Photoshopで編集作業を行う際、高解像度の画像を展開するためには多くのメモリ領域が必要となります。この際、展開する画像ファイルに対してメモリ容量が不足すれば、キャッシュ用のストレージにデータをスワップすることになりますが、高速なSSDであってもメインメモリの10分の1以下の速度しかない現状では、メモリ容量の不足はパフォーマンスを大きく低下させるボトルネックとなってしまいます。
Photoshopを使うことが前提のPCであれば最低でも8GB、余裕をみて16GBはメモリを搭載したいところです。
●4GB以上のVRAMを持つグラフィックカードがおすすめ
PhotoshopはGPUを積極的に活用する画像編集ソフトであり、「回転ビューツール」や「バーズアイズーム」などのOpenGLを用いる一部の機能は、必要システム構成を満たすVRAMを備えたGPUがないと利用できません。
Photoshop上での拡大縮小などの描画をより高速で滑らかに行うことのできるGPUアクセラレーションですが、高解像度のコンテンツを扱う場合、メインメモリと同じように、GPUが高速にアクセスできるVRAMの容量が重要となります。
昨今のグラフィックカードは、高解像度ディスプレイへの対応や、ゲームが使用するVRAM容量の増加に対応するため、エントリークラスの製品あっても、2GB~4GB程度のVRAMを備えている製品が登場しています。GPU自体の性能もよくVRAM容量も大きい、NVIDIA GeForce GTX 1060や、Radeon RX 470/480あたりの製品は特におすすめです。
●快適なPhotoshopマシン実現のため余裕をもたせたいメモリ&VRAM
もちろん、CPUやストレージに性能の高いパーツを選択すれば、起動や処理に要する時間の短縮につながりますが、Photoshopマシンを構築するにあたって、まず重視しておきたいのが、今回ご紹介した「メインメモリ」と「VRAM(グラフィックカード)」です。
当店で販売中のBTOパソコンであれば、以下のモデルをベースにして、メモリとグラフィックカードの構成をカスタマイズいただくことで、快適なPhotoshopマシンとしてご利用いただけます。