SSDやHDD、光学ドライブ用のインターフェースとして、SATAポートは現在でも主要なインターフェースの一つです。
多くのマザーボードは複数のSATAポートを備えており、単純に容量を確保するため、あるいはハードウェア故障からデータを保護するための冗長性のためなど、理由はさまざまですが、PCを構築する際に複数のSATAデバイスを搭載することは珍しくありません。
では、複数のSATAデバイスを搭載するPCを組み立てようとなったとき、皆さんはどのような点に注目してパーツを選ばれるでしょうか。
マザーボードのSATAポート数、PCケースのドライブベイ、これらが搭載したいSATAデバイスの数に対して不足していれば、希望通りのPCが構築できないのは明らかです。電源ユニットのSATA電源コネクタの数やケーブルレイアウトも重要です。足りなければ分岐ケーブルなどを用意する必要があるでしょう。
しかし、必要なSATAケーブルの本数について考えられる方は意外と少ないのではないでしょうか。当然ながら、SATAデバイスとマザーボードのSATAポートを繋いで通信を行うためには、SATAケーブルは必須です。
なぜ、必須要素にも関わらずSATAケーブルの本数の確認を忘れてしまいがちなのか。その理由は、「SATAケーブルはマザーボードの付属品のひとつ」であるという先入観を持たれているからです。
確かに、ほとんどのマザーボードには、付属品としてSATAケーブルが同梱されています。特別なこだわりがなければ、付属品のSATAケーブルを使ってSATAデバイスを接続して、PCは完成する……ように思えるのですが、複数のSATAデバイスを搭載するPCとなると、この通りにはいかない場合が少なくありません。
なぜなら、マザーボードに付属するSATAケーブルの本数は、マザーボードが備えるSATAポートの数と同じではない場合があるからです。むしろ、SATAポートと同数のケーブルを付属品として用意しているのは、一部のメーカーや、上位製品に限られます。ほとんどの場合、マザーボードに実装されたすべてのSATAポートを利用しようとするなら、別途SATAケーブルを購入する必要があります。
●マザーボードの付属品欄、あるいはマニュアルをダウンロードして確認を
マザーボードに付属するSATAケーブルの本数は、メーカー製品情報ページのスペック一覧から付属品の項目で確認できるほか、各製品のマニュアルをダウンロードすれば、付属品一覧の項目に記載されています。
▲ASUS Z170-DELUXEのマニュアルより
基本的には、製品ページのスペック欄で確認するのが簡単ですが、一部メーカーでは製品ページのスペックに付属品の記載がない場合があるので、そのような場合はマニュアルをチェックしてみると良いでしょう。
付属品で足りるはず、と油断しがちなSATAケーブルですが、実際に足りないという事態に陥ると、組み立て始めたPCが完成しないという事態に陥ります。近場で購入できればまだいいものの、通販を利用するとなれば、数日のタイムロスと送料などで追加のコストがかかってしまいます。
後になって後悔しないためにも、パーツの購入を完了する前に、必要な数のSATAケーブルが揃っているか、必ず確認しておきましょう。