先日、AMDより最新のGPU製品となる「Radeon RX 500 シリーズ」が登場しました。今回は、同シリーズの製品ラインナップを確認しながら、どのようなGPUなのかチェックしてみます。
●Polarisアーキテクチャの第2世代製品
自作PCに関連のあるRadeon RX 500 シリーズ製品はRadeon RX 580、RX 570、RX 560、RX 550の4製品で、いずれもPolarisアーキテクチャを採用し、14nm FinFETプロセスで製造されたGPUです。
Polarisアーキテクチャは、Radeon RX 400 シリーズで初採用されたアーキテクチャで、第4世代のGCN(Graphics Core Next)アーキテクチャです。Radeon RX 400 シリーズも14nm FinFETプロセスで製造されていましたので、Radeon RX 500 シリーズのGPUアーキテクチャと製造プロセスは前世代から据え置きとなっています。
製品ラインナップをチェックしてみると、Radeon RX 500 シリーズの新GPUは、Radeon RX 400 シリーズの同クラスGPUをブラッシュアップした仕様となっており、Radeon RX 560より上の製品ではGPUの規模は前世代と同等で、動作クロックを高めることで性能向上を図った製品となっています。
製造プロセスの熟成とGPUコアのリビジョンアップなどにより、前世代のGPUコアよりも電力効率などが多少改善されていることが期待できますが、マイナーチェンジモデルであるため、既にRadeon RX 400 シリーズをお持ちであれば、同クラスのRadeon RX 500 シリーズにアップグレードするメリットはほとんどありません。
もちろん、新規で購入するのであればRadeon RX 500 シリーズは魅力ある製品であると言えます。
注目の製品は、Radeon RX 400 シリーズにはなかった「RX ●50」クラスのGPUとして追加されたRadeon RX 550です。エントリークラスのGPUとして、1万円前後での登場が期待されるこのGPUは、GPUにゲーム性能を求めない方にとって、より安価にディスプレイ出力を得る手段となります。
優れたマルチスレッド性能が注目を集めるAMDの最新CPUである「Ryzen」には、APUのようにGPUコアが存在しないため、ディスプレイ出力用にグラフィックカードが必須となっています。Radeon RX 550は、Ryzen向けのディスプレイ出力用GPUとして、好適な製品となるでしょう。