1xnm世代のローエンドGPUが登場。GPUの選択肢がより豊富に。
2017年5月現在、NVIDIAは16nm FinFETプロセスで製造したPascalアーキテクチャ採用GPU「GeForce GTX 10 シリーズ」、AMDは14nm FinFETプロセスで製造したPolarisアーキテクチャ採用GPU「Radeon RX 500 シリーズ」を、それぞれ市場に投入しています。
両社のGPUラインナップを、GPUの持つ性能をベースにグレード分けしたリストが以下のものです。今回は、最上級の性能を持つ「ウルトラハイエンド」を筆頭に、「ハイエンド」「ミドルレンジ」「エントリー」「ローエンド」の5つのグレードでGPUを分類しました。
▼パフォーマンスを追求される方向けの「ウルトラハイエンド」
最上級のウルトラハイエンドは、コストよりもパフォーマンスを追求される方向けの製品群で、グラフィックカードの価格は10万円からそれ以上となります。
現在NVIDIAは3つのウルトラハイエンドGPUをラインナップしていますが、最上級のTITAN Xpは国内未発売であるため、事実上TITAN XかGeForce GTX 1080 Tiの2択となっています。AMDには、今のところ該当するGPUがありません。
▼本格的にゲームをする方向けの「ハイエンド」
ハイエンドクラスのGPUは、優れたゲーミング性能を持ったGPU群です。グラフィックカードの価格も5~8万円前後と、ウルトラハイエンドよりは現実感のある価格となっており、よりよい描画品質でゲームをプレイするなら、このグレードがお勧めです。
NVIDIAはGeForce GTX 1070/1080の2モデルをラインナップしています。安価なものなら4万円台から購入できるGeForce GTX 1070は魅力的です。なお、AMDはこのグレードに該当するGPUがありません。
▼PCでゲームをするならこのクラス以上を選びたい「ミドルレンジ」
ミドルレンジクラスのGPUは、2~3万円台で購入できるGPU製品群で、そのパフォーマンスは多くのコンシューマ向けゲーム機よりも高いものとなっています。この性能とコストのバランスの良さから、マルチプラットフォームで展開されるゲームタイトルをPCでプレイしたいという方に適したGPUとなっています。
NVIDIAはGeForce GTX 1060 シリーズ、AMDはRadeon RX 580/570がこのグレードに該当しています。動画や画像の編集など、ゲーム以外の用途でGPUを用いた処理を行う場面でも、優れたパフォーマンスが期待できる製品となっています。
▼描画負荷の低いゲームが楽しめる「エントリー」
エントリークラスのGPUは、1~2万円弱で購入できるGPU製品群です。ゲームに必要な3D描画性能はミドルレンジクラスのGPUの半分程度と低く、本格的にゲームを楽しむのには向いていませんが、MoBA系ゲームや描画負荷の低いオンラインゲームなどを楽しむ分には十分な性能を持っています。
NVIDIAはGeForce GTX 1050 シリーズ、AMDはRadeon RX 560が該当します。このクラスの製品は消費電力も低く、最新のディスプレイ出力端子をサポートしている製品も多いため、CPU内蔵GPUを持たないプラットフォームにおける画面出力用としての運用にも適しています。
▼画面出力用に割り切った低性能GPU「ローエンド」
ローエンドクラスのGPUは、1万円からそれ以下の価格で購入できるGPUです。このクラスはゲームでのパフォーマンスを期待するものではなく、PCの画面をモニタに出力するという最低限の機能を持った製品です。その分、消費電力は低いため、無駄な電力消費を抑えることができます。
NVIDIAはGeForce GT 1030、AMDはRadeon RX 550がこれに該当します。どちらも最近発売されたばかりのGPUです。低コスト化や省スペース化に重きを置いている製品も多く、ディスプレイ出力端子もエントリークラスより簡素になっている場合があります。