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電源ユニットの選びのポイント

 電源ユニットは、壁コンセントから供給される100Vの交流電圧を、PCパーツで使える直流電圧に変換して供給するパーツです。今回は、その電源ユニットを選ぶ際に重要な要素をまとめてみました。

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最優先すべきは「容量」と「コネクタ」

 電源ユニットを選ぶ際、最も重要なのは「容量」と「コネクタ」の仕様です。

 「容量」とは電源ユニットがPCパーツに対して供給できる電力の最大値です。電源ユニットに接続したPCパーツが「容量」を超える電力を消費した場合、電源ユニット内の保護回路が作動して電力供給をカットするため、PCの電源が落ちてしまいます。

 このように、電源ユニットの容量不足はPCにとって致命的な問題であり、万が一保護回路の作動に不具合があれば、電源ユニットの発煙や発火につながる恐れもあります。したがって、電源ユニットは「容量」が足りることを第一に選ばなければなりません。容量に関しては、以下の記事でより詳細な解説をしておりますので、そちらもご確認ください。

 電源ユニットにおいて、容量と並んで重要なスペックなのが「コネクタ」です。PCパーツと電源ユニットは、それぞれ規格化されたコネクタで接続することになるため、搭載するパーツに対応するコネクタを電源ユニットが備えている必要があります。

 当然ながら接続できないPCパーツに電源ユニットは電力を供給できませんので、PCのパーツ構成と電源ユニットのコネクタがきちんと合致しているか確認する必要があります。また、電源ユニットのケーブルのレイアウトなども重要になりますので、以下の記事を参考にしてみてください。

 ・電源ユニットの選び方 ~ 数だけで判断すると失敗しがちな電源コネクタ

見落としがちな電源ユニットの規格と奥行き

 「容量」と「コネクタ」は、電源ユニットが電源ユニットとして機能するための必須要素であるため、最も重要なスペックとして紹介しました。次点としては、電源ユニット本体サイズに関わる「規格」と、その本体サイズの「奥行き」です。

 電源ユニットにはATXやSFXなど、筐体サイズに関わる規格があります。一般的なタワー型ケースであればATX規格の電源に対応していますが、一部のコンパクトなPCケースでは、SFXやTFXなどの規格を採用している場合があり、組み合わせるケースの仕様に適合した電源ユニットを選択する必要があります。

 多くのPCケースに採用されているATX規格の電源ユニットですが、ケース筐体の奥行は製品によって異なっており、あまりに奥行きの長い電源ユニットは搭載できないケースが少なくありません。これもPCケース側のスペックを確認する必要があるのですが、特に注意が必要なのはケーブル着脱に対応したプラグイン式の電源ユニットです。

 プラグイン式の電源ユニットは、ケーブルと電源ユニットを接続するためのコネクタ部分の長さがあるため、電源ユニットの奥行きのスペックに+20mmほど加えて考える必要があります。

電源ユニットの選び方 ~ いいことばかりじゃない?プラグイン電源の注意点

電力消費の大きなPCで考慮したい「変換効率」

 電源ユニットには「効率」というスペックが存在します。これは、電源ユニットが交流電圧を直流電圧に変換する際の変換効率のことで、効率の悪い電源ではより多くのエネルギーが変換の過程で熱として消費されてしまい、PCの消費電力が大きくなってしまいます。

 電源ユニットの変換効率については「80PLUS」という認証システムが存在しており、どの認証を取得しているのかによって、電源ユニットのおおよその変換効率を知ることができます。80PLUS認証については以下の記事をご参照ください。

 ・電源ユニットの選び方 ~ 80PLUSとは?

 変換過程でのロスは完全に無駄な電力消費となるため、当然ながら効率の良い電源ユニットの方が良いのですが、高効率な電源になるほど高価になります。電源ユニットの効率差で生じる電気代の差で、価格の差を埋めるというのは、一般的なPC用途ではあまり現実的ではありません。

 ただ、変換効率の差はPCの消費電力が大きくなればなるほど、消費電力の差として現れやすくなっていくため、長時間に渡って大きな電力を消費するPCなら、高効率電源を選ぶメリットも大きくなります。最近流行りのマイニング用PCやゲーミングPCには、効率の良い電源を選択するのがおすすめです。

→OVERCLOCK WORKSの電源カテゴリー

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