マザーボードには「ATX」や「Micro ATX」など複数のフォームファクターが用意されています。対応するケースや拡張性を左右するマザーボードのフォームファクター選びは、自分が理想とするPCを製作するうえで重要な要素となります。
そこで今回は、各フォームファクターがどのような用途に適しているのかをIntel製チップセット毎にご紹介いたします。
各フォームファクターごとのPCケースについては以下をご覧ください。
→PCケースの選び方 ~PCケースの種類と特徴
●Intel Z370 チップセット
Coffee Lake-S専用のLGA1151対応チップセットで、LGA1151向けIntel 300シリーズチップセットの最上位モデルです。
CPUとメモリのオーバークロックと、CPUのPCIe 3.0レーンを分割できる機能を備えています。オーバークロックを楽しみたい方や、NVIDIA SLIを利用したマルチGPU環境を構築したい方に適しています。
▼ATX
・ハイクロックなオーバークロックメモリを使いたい
・CPUをオーバークロックしたい
・2-way GPU(NVIDIA SLI)を使いたい
・チップセットのRAID機能を利用したい
・タワー型PCケースを使った拡張性の高いPCを作りたい
▼Micro ATX
・ハイクロックなオーバークロックメモリを使いたい
・CPUをオーバークロックしたい
・2-way GPU(NVIDIA SLI)を使いたい
・チップセットのRAID機能を利用したい
▼Mini-ITX
・ハイクロックなオーバークロックメモリを使いたい
・CPUをオーバークロックしたい
・チップセットのRAID機能を利用したい
●Intel H370 チップセット
Coffee Lake-S専用のLGA1151対応チップセットで、LGA1151向けIntel 300シリーズチップセットの中でZ370の下位モデルです。
CPUやメモリのオーバークロック機能とCPU内蔵PCIeレーンの分割機能が削られているため、オーバークロックやNVIDIA SLIは利用できません。マザーボードのグレード自体は高いものが多いので、ヘビーユーザーにもおすすめです。
▼ATX
・シングルGPUゲーミングPCを作りたい
・チップセットのRAID機能を利用したい
・タワー型PCケースを使った拡張性の高いPCを作りたい
▼Micro ATX
・より低コストでシングルGPUゲーミングPCを作りたい
・チップセットのRAID機能を利用したい
・スリムデスクトップケースを使いたい
▼Mini-ITX
・より低コストでシングルGPUゲーミングPCを作りたい
・チップセットのRAID機能を利用したい
・コンパクトなキューブPCケースを使いたい
●Intel B360 チップセット
Coffee Lake-S専用のLGA1151対応チップセットで、LGA1151向けIntel 300シリーズチップセットのエントリーモデルです。
上位のH370からPCIeレーン数やRAID機能が削減されていますが、その分価格も安くなっているため、よりコストを抑えたい方に適しています。
▼ATX
・より低コストでシングルGPUゲーミングPCを作りたい
・タワー型PCケースを使った拡張性の高いPCを作りたい
▼Micro ATX
・より低コストでシングルGPUゲーミングPCを作りたい
・スリムデスクトップケースを使いたい
▼Mini-ITX
・より低コストでシングルGPUゲーミングPCを作りたい
・コンパクトなキューブPCケースを使いたい
●Intel H310 チップセット
Coffee Lake-S専用のLGA1151対応チップセットで、LGA1151向けIntel 300シリーズチップセットのローエンドモデルです。
フォームファクターを問わずメモリスロットは最大2本までとなっており、PCIeレーン数やUSBポートの数も少ないですが安価であるため、オフィス用途などに限定した低コストPCの製作に適しています。
▼ATX
・CPU内蔵グラフィックスを使った低コストPCを作りたい
・安価でメンテナンス性の高いタワーケースを使いたい
▼Micro ATX
・ハイクロックなオーバークロックメモリを使いたい
・スリムデスクトップケースを使いたい
▼Mini-ITX
・ハイクロックなオーバークロックメモリを使いたい
・コンパクトなキューブPCケースを使いたい
●Intel X299 チップセット
ハイエンドプラットフォームであるLGA2066に対応するチップセットで、Skylake-XやKaby Lake-Xが利用できます。LGA1151には存在しない8コア以上のCPUを利用したい方や、Intel Core i9が備える44レーンのPCIe 3.0 レーンを活用したい方に適しています。
多数の機能を実装するためATX規格以上のマザーボードがほとんどですが、一部のメーカーからMicro ATXやMini-ITX規格のマザーボードが発売されています。ただし、Micro ATX以下ではメモリスロットが少なかったり、電源回路や放熱的にオーバークロックが難しいなどの制約もあります。
▼ATX
・10コア以上のCPUをオーバークロックしたい
・大容量メモリ(最大16GB×8枚)を使いたい
・オーバークロックメモリを使いたい
・複数のPCI Expressスロット用の拡張カードを使いたい
▼Micro ATX
・ミニタワーケースで8コア以上のCPUを利用したい
・2-way GPU(NVIDIA SLI)を使いたい
▼Mini-ITX
・できるだけ小型のPCケースで8コア以上のCPUを利用したい
・オーバークロックメモリを使いたい