パーツの選び方 自作PCの知識

「空冷CPUクーラー」と「オールインワン水冷」のご紹介

 これから夏にかけて気温が上昇するにつれ、PCの安定した動作のためには「冷却」の重要度が増していきます。

 今回は、PCパーツの中でも特に高発熱なパーツであるCPUを冷却するCPUクーラーについて、「空冷CPUクーラー」と「オールインワン水冷」の特徴と使いどころをご紹介します。

●オーバークロックしない人にお勧め「120mm空冷サイドフロー」
 空冷CPUクーラーの魅力は低コストであることです。5,000円以下でも十分な冷却能力を持った製品が購入できます。

 特におすすめなのは120mmファンを搭載したサイドフロー型CPUクーラーで、代表的な製品である「サイズ 虎徹 Mark II」は、4,000円前後の価格でありながら、RyzenやCore i7を静かに冷やせる実力を備えています。

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 空冷サイドフロークーラーの弱点は、CPUソケット周辺のパーツ、特に大型のメモリと干渉しやすい点と、タワー型ケース以外には収容できない場合が多い点です。

 ケースやメモリとの干渉に気をつければ、費用対効果に優れたCPUクーラーですので、純正CPUクーラーからのアップグレードや、静粛性を重視したい方におすすめです。
●冷却重視、RGBイルミネーション重視の方におすすめ「オールインワン水冷」
 簡易水冷と呼ばれることもあるオールインワン水冷クーラーは、ポンプやヘッド、ラジエーターをひとまとめにして冷媒を封入しているので、空冷CPUクーラーと同じ用な感覚で取り扱える水冷ユニットです。

 オールインワン水冷クーラーの冷却性能はラジエーターのサイズに左右され、240mm以上のラジエーターを採用した製品は、空冷のハイエンドクーラーを凌ぐ性能を備えています。また、CPUには小型の水冷ヘッドを取り付けるだけなので、メモリとの干渉が起こりにくいのもオールインワン水冷のメリットです。

 オールインワン水冷の弱点は、価格の高さの他に、ポンプの動作音があるため、静粛性を追求しようとすると空冷クーラーに対して不利な点です。また、最悪の壊れ方をした場合、漏水の可能性があります。

 かつては、240mm以上のラジエーターを搭載できるケースは限られていることも弱点のひとつでしたが、最近のPCケースはラジエーターの搭載を前提としたものが増えており、組み合わせ可能なケースも増え、この弱点はほぼ解消されています。

 最新のパーツでゼロからPCを新調しようという方で、CPUのオーバークロックやハイエンドCPUを利用される方には、強力な冷却性能を持つ大型ラジエーター採用オールインワン水冷がおすすめです。

 CPU周りをすっきりさせることができるので、RGBイルミネーションを備えたマザーボードやメモリを目立たせたい場合などにも好適でしょう。

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