今回はPCケースによってPCパーツの冷却が失敗する例をご紹介します。
空冷CPUクーラーとケースが干渉する
巨大なサイドフロー型CPUクーラーがタワー型ケースの側面パネルに干渉してしまうというパターンも多いのですが、キューブ型PCなどでは、マザーボード上空に位置するドライブベイや電源ユニットなどにより、背の低いCPUクーラーでも取り付けられない場合があるので、搭載可能なCPUクーラーの高さには十分な注意が必要です。
また、薄型のMini-ITXケースのようにスペース的な余裕のないPCケースでは、僅かでもマザーボードの面積からはみ出てしまうようなトップフロー型CPUクーラーなどは取り付けられない場合があり、単に高さだけでなくマザーボード周辺のスペースについても注意が必要です。
水冷クーラーが取り付けられない
特に、240mm以上の大きさのラジエーターなどはケース天板のファン搭載スペースに取り付けることが多いのですが、水冷クーラーの搭載を前提に設計されていないケースでは、マザーボード搭載スペースと天板の距離が近すぎて、ラジエーターとマザーボードが接触して搭載できないことがあります。
ケース内温度の上昇に対応できない
これは、PCケースに収めたパーツの発熱量がPCケースの換気能力を上回ってしまった場合に発生します。
PCケースが十分な換気能力を備えていれば、ケース内部で発生するCPUやGPUの発熱はケース外へ放出されますが、それが間に合わないとケース内の温度は上昇し続けることになります。CPUクーラーやGPUクーラーの多くはPCケース内の空気を使って冷却を行っているため、ケース内温度の上昇はこれらの冷却を破綻させてしまいます。
特に、Mini-ITXケースのような小型のPCケースでは、空気の容量が少ないためケース内温度の上昇も急激なものとなりますので、小型PCであるほど、各パーツの発熱量がケースの換気能力を上回らないよう注意する必要があります。