2018年末のCPUの選び方として、今回は価格重視で選びたい方向けにローコストCPUについてご紹介いたします。
●内蔵GPU標準搭載のIntel製ローコストCPU
IntelではローコストCPUとして、14nmプロセスで製造されたCoffee Lakeアーキテクチャを採用したCPU製品群が、「Celeron」「Pentium Gold」「Core i3」の3ブランドで展開されています。対応CPUソケットはいずれもLGA1151で、Intel 300 シリーズ・チップセット搭載マザーボードで利用できます。
最も安価なCeleronが2コア2スレッドCPU、Pentiumは2コア4スレッドCPU、Core i3は4コア4スレッドCPUとなっています。いずれのCPUにもGPUコアが統合されており、画面出力端子を備えたマザーボードと組み合わせれば、グラフィックカードが無くても画面出力が可能です。
・Celeron G4000 シリーズ … 2コア2スレッドCPU 価格: 6,000 ~ 7,000円前後
・Pentium Gold シリーズ … 2コア4スレッドCPU 価格: 8,000 ~ 12,000円前後
・Core i3-8000 シリーズ … 4コア4スレッドCPU 価格: 16,000 ~ 22,000円前後
とにかく安いCPUということであればCeleronが最も安価ですが、CPUに1万円前後の予算を割けるのであれば、2コア4スレッドCPUのPentium Goldは魅力的です。ウェブの閲覧などを中心でクリエイティブな用途を行わないユーザーには、Pentium Gold以下のCPUがおすすめです。
Core i3は4基の物理コアを備える4コア4スレッドCPUであり、ミドルレンジクラスのグラフィックカードと組み合わせれば、ゲーミングPCとしても通用する実力があります。趣味として写真や動画を扱う機会があるのであれば、やや高価ですがCore i3を選ぶ価値はあるでしょう。
●APUが主力のAMD製ローコストCPU
AMDのローコストCPUは、ZenベースのCPUとVegaベースのGPUを統合したAPUコア「Raven Ridge」を採用する「Athlon」「Ryzen G」が展開されています。また、GPUコアを持たないCPU「Ryzen 3」と「Ryzen 5」も1~2万円前後の価格帯に投入されています。
これらのAPUとCPUはSocket AM4に対応しており、AMD 300/400 シリーズ・チップセット搭載マザーボードで利用できます。
▼APU製品
・Athlon 200GE … 2コア4スレッドCPU 価格: 7,000円前後
・Ryzen 3 2200G … 4コア4スレッドCPU 価格: 12,000円前後
・Ryzen 5 2400G … 4コア8スレッドCPU 価格: 20,000円前後
▼CPU製品
・Ryzen 3 1000 シリーズ … 4コア4スレッドCPU 価格: 12,000~16,000円前後
・Ryzen 5 1000 シリーズ … 4C8T ~ 6C12T CPU 価格: 16,000~22,000円前後
・Ryzen 5 2000 シリーズ … 6コア12スレッドCPU 価格: 19,000~24,000円前後
AthlonやRyzen G系のAPUはGPUコアを統合しているため、画面出力機能を持ったマザーボードを用いることでグラフィックカードなしでの画面出力が可能ですが、GPUコアの性能はRyzen GとAthlonで大きく異なります。GPU性能に期待してAPUを選ぶならRyzen Gがおすすめです。
CPU系のRyzenシリーズは、同価格帯のAPUよりもCPUのコア数が多いなど、純粋なCPUとしての性能でAPUを上回ります。グラフィックカードを追加するためのコストが掛かりますが、CPUに統合されたグラフィックカード接続用PCIeレーン数がAPUより多いというメリットもあります。
将来的な拡張性を重視せずに選ぶのであれば、Ryzen 3 2200Gは低コストでパフォーマンスにも優れる素晴らしい製品です。動画編集やRAW現像などCPUパワーを要する用途であればRyzen 5 2400Gを選ぶ価値はありますが、コスト重視という趣旨であればRyzen 3 2200Gが一歩リードしています。
グラフィックカードを使うことを前提とするなら、CPUのRyzenシリーズ、特に最新設計を採用するRyzen 5 2000 シリーズを検討することをおすすめします。