2018年末版CPUの選び方。今回はハイエンドクラスのCPUについてご紹介いたします。
【Intel】ゲーム用途ならCore i9-9900K、メニーコアはLGA2066のCore i9
2018年末のIntel製デスクトップ向けCPUは、ハイエンドクラスの製品に「Core i9」のブランドが与えられています。
ほとんどのCore i9はLGA2066向けのハイエンドCPUであり、10~18コアのCPUがラインナップされています。これらLGA2066向けCore i9は、クアッドチャネル対応メモリコントローラや44レーンのPCIe 3.0を内蔵しており、大容量かつ広帯域なメモリや、複数のPCIeレーンを活かして複数の高速SSDやグラフィックカードを搭載することが可能です。本格的に動画やCGを扱う方に適したCPUと言えるでしょう。
一方、メインストリーム向けのLGA1151唯一のCore i9が、先日発売されたCore i9-9900Kです。最大5GHzで動作する8コア16スレッドCPUであるCore i9-9900Kは、最高峰のシングルスレッド性能と優れたマルチスレッド性能を備えており、Intelが「世界最高のゲーム用プロセッサ」というだけあって、PCゲームで素晴らしい性能を発揮します。
ハイエンドCPUに対して、ゲームで最高の性能を発揮することを求めるならCore i9-9900K、動画やCG制作のレンダリング時間短縮したい方や、PCIe接続のグラフィックカードやSSDを多数使いたい方はLGA2066向けCore i9を検討すると良いでしょう。
【AMD】ゲームにも強い「Xシリーズ」、メニーコア特化の「WXシリーズ」
AMDのハイエンド向けCPUといえば「Ryzen Threadripper」です。今年登場した第2世代Ryzen Threadripperでは、1つのCPUパッケージに2つのダイを封入した「Xシリーズ」と、4つのダイを封入した「WXシリーズ」の2ラインで製品を展開しています。
両シリーズ共通の仕様として、クアッドチャンネル対応メモリコントローラ、64レーンのPCIe 3.0をCPUに内蔵しており、大量のメモリや高速SSD、マルチGPU環境の構築に適しています。
XシリーズのRyzen Threadripperでは12コア24スレッドCPUと16コア32スレッドCPUが投入されています。どちらもオールラウンドに性能を発揮するタイプの製品であり、ゲームから動画やCGレンダリングなどで高いパフォーマンスが得られます。
一方、4つのダイを封入したWXシリーズは、Xシリーズの倍となる24コア48スレッドCPUと32コア64スレッドCPUが用意されています。非常に多くのコア数は、計算用途やCGレンダリングなどで力を発揮する一方、特殊なメモリアクセス周りの設計や、Windowsおよびアプリケーション側の最適化不足により、ゲームや古いアプリケーションでは本来の性能を発揮できない場合があります。
全てのCPUスレッドを使いきることが分かっているのであれば、WXシリーズの圧倒的なコア数は魅力的なものですが、一般的なPC用途においてはXシリーズの方が使い勝手の良いCPUです。膨大なコア数を使いきる用途がある方はWXシリーズ。ゲームからクリエイティブまで用途を問わずに仕える高性能PCをお求めの方にはXシリーズがおすすめです。