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効果的なメモリの発熱対策「メモリクーラー」について

本日はメモリの発熱対策に効果的な専用冷却ユニット「メモリクーラー」をご紹介します。

 メモリクーラーとは、メインメモリの冷却を目的とした冷却装置です。一般的なメモリクーラーの構造は、メモリスロット上空に配置し、冷却ファンによる送風でメモリを冷却するというものです。
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 メモリの冷却は、ケースファンやCPUクーラーによって生じる間接的なエアフローに頼るのが一般的ですが、メモリに対して直接風を吹き付けるメモリクーラーであれば、より確実にメモリを冷却できます。

 今回はメモリクーラーが特に効果を発揮するシーンを2つご紹介します。

●オーバークロックメモリの安定運用に
 オーバークロックメモリは、高クロック動作を実現するために動作電圧を高く設定している製品が多く、標準電圧が1.2VのDDR4メモリでありながら、1.4V以上の動作電圧が設定されているメモリも登場しています。

 動作時の電圧とクロックが高いとメモリの発熱は増加し、その発熱を処理できずに温度が上昇するとメモリの動作が不安定になる場合もあります。

 オーバークロックメモリの安定運用を妨げかねない発熱を確実に処理する手段として、メモリに直接送風して冷却できるメモリクーラーは有効です。

●水冷クーラー利用時のメモリ冷却に
 近年普及しているオールインワン水冷クーラーは手軽かつ強力にCPUを冷却できるため、高発熱なメニーコアCPUの冷却や、CPUのオーバークロックを狙いたいユーザーにとって魅力的です。

 ただし、これらの水冷クーラーの多くは空冷クーラーと違い、CPUソケット付近でエアフローを発生させないため、CPUクーラーの吸排気によるメモリの冷却が期待できません。これにより、メモリスロット付近の空気が停滞してしまうと、メモリの放熱効率が低下して動作温度が上昇して動作の安定性を欠く可能性があります。

 メモリに直接送風するメモリクーラーなら、水冷クーラー利用時でもメモリを確実に冷却できます。高性能なメニーコアCPUにメモリを満載して運用するなら、水冷クーラーとメモリクーラーの組み合わせがおすすめです。

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