1チップで16Gbit(2GB)の容量を実現したDDR4メモリチップの普及により、自作PC向けにも1枚で最大32GBの容量を実現したメモリモジュールが登場しはじめました。今回はこの32GBモジュールが使える環境についてご紹介いたします。
●最新チップセットが推奨される32GBモジュール、一部マザーボードは対応BIOSを配信中
DDR4メモリの32GBモジュールは、16Gbit(2GB)のDDR4メモリチップの登場により実現したメモリモジュールで、同チップを16枚実装することで自作PC向けの一般的なメモリ規格(non-ECC、Unbuffered)で32GBの容量を実現しています。
2枚で64GB、4枚で128GB、8枚なら256GBもの容量を実現可能な32GBモジュールですが、16GbitメモリチップはDDR4普及初期には存在しなかったため、正しく利用するためにはマザーボード側のBIOSアップデートなどが必要になる場合があります。
CORSAIRの32GBモジュール採用メモリキット「VENGEANCE LPX」では、対応環境として以下のチップセットの名前を挙げています。
・Intel 300シリーズ・チップセット(LGA1151)
・Intel X299チップセット(LGA2066)
・AMD X570チップセット(Socket AM4)
・AMD 400シリーズ・チップセット(Socket AM4)
・AMD X399チップセット(Socket TR4)
いずれも現行世代のチップセットであり、Intelの200シリーズやX99などの古いDDR4対応環境は含まれていません。
また、ここに挙げられたチップセットのうち、最初から32GBモジュールに対応しているのはAMD最新のX570チップセットのみで、残りのチップセットを搭載したマザーボードで32GBモジュールを利用するには、BIOSのアップデートが必要な場合があります。
各マザーボードメーカーの対応状況を確認してみると、Intel Z390チップセットを搭載したマザーボード向けには「32GBモジュール対応」を明記したBIOSが配信されている一方、その他のチップセットを搭載したマザーボードでは同様の表記がみられないものが多いようです。
「表記がない=使えない」とは限りませんが、確実に32GBモジュールを使いたいのであれば、AMD X570チップセット搭載マザーボードか、対応BIOS適用済みのIntel Z390チップセットとの組み合わせがおすすめです。