Intelのモバイル向け第10世代Coreプロセッサを搭載したPCが登場しています。
2つのアーキテクチャが展開されるモバイル向け第10世代Core
現在までに登場しているIntelの第10世代Coreプロセッサには、異なるアーキテクチャに基づいて製造された2系統のCPU製品が存在しています。
ひとつは開発コードネームが「Ice Lake」であるCPU。Intel最新の10nmプロセスを用いて製造されたCPUであり、CPUと内蔵GPUのアーキテクチャを刷新した、正真正銘の最新世代CPUです。
もうひとつは、開発コードネームが「Comet Lake」のCPU。こちらは14nmプロセスでSkylake世代のCPUアーキテクチャを踏襲して製造されています。
一方のComet Lakeは、第9世代以前の設計や製造技術を踏襲したモデルですが、Ice Lakeが最上位で4コア8スレッドCPUであるのに対し、Comet Lakeでは6コア12スレッドCPUが用意されます。このため、最上位モデル同士の比較では、Comet Lakeがマルチスレッド性能でIce Lake搭載PCを凌ぐ場合もあります。
最新の設計により単体で優れたCPU性能とGPU性能を両立するIce Lakeが、薄く軽量ながらもマルチメディア性能に優れたモバイルノートを実現する一方、CPUのコア数や動作クロックの高いComet Lakeは、CPU性能を重視するユーザーや、モバイル向けGPUと組み合わせたモバイルゲーミングPCに適しています。
Ice LakeとComet Lakeの見分け方
同じモバイル向け第10世代Coreプロセッサでありながら、設計や製造プロセスが異なるIce LakeとComet Lake。第10世代Core搭載ノートPCにどちらのCPUが搭載されているのかは、CPUのモデルナンバーを見ることで判別可能です。
▼Ice Lake
・Intel Core i7-1065G7 …… 4桁の数字 + CPUのグレード(G7、G4)
▼Comet Lake
・Intel Core i7-10710U …… 5桁の数字 + サフィックス(U、Y)
Ice Lakeの第10世代Coreプロセッサのモデルナンバーが、4桁の数字とCPUのグレードを示す英数字(G7やG4)で構成されるのに対し、Comet Lakeの第10世代Coreプロセッサでは5桁の数字とTDPを示すサフィックスで構成されています。
Ice LakeとComet Lakeのどちらが良いかは、用途やPCの設計にもよるため一概には言えませんが、自分が欲しい方の第10世代Coreが搭載されたPCを選ぶためにも、モデルナンバーによる見分け方を覚えておくことをおすすめします。